200V・100Vの電圧許容範囲とは?101±6V/202±20V
200Vの許容範囲は202±20V(182〜222V)、100Vは101±6V(95〜107V)です。電気事業法施行規則にもとづく根拠と、試験で問われる周波数の維持義務まで、標準電圧100Vは101±6V、200Vは202±20V、周波数は標準周波数に等しい値を維持する努力義務まで、穴埋め問題で確実
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この記事で身につくこと
法規の勉強をしていて、いちばん気が重くなるのが「数値の暗記」ではないでしょうか。条文の言い回しは何となく読めても、そこに出てくる数字だけはどうしても頭を素通りしていく。そんな経験、きっとお持ちだと思います。
でも、安心してください。今回扱う「電圧および周波数の維持」は、法規の中でももっとも報われやすい単元です。理由は単純で、覚えるべき数字が 101±6V と 202±20V の、たった2組しかないからです。しかも、この2つの数字にはちゃんと理由があります。理由が分かれば、暗記は「思い出す作業」ではなく「納得している事実を書くだけの作業」に変わります。
この記事を読み終えるころには、次のことができるようになります。
- なぜ電圧を厳しく維持しなければならないのか、その理由を自分の言葉で説明できる
- 標準電圧100V・200Vそれぞれの、維持すべき電圧の範囲を数値で即答できる
- 「100Vぴったり」「200Vぴったり」が基準ではない、という引っかけを見抜ける
- 周波数の維持義務が「標準周波数に等しい値」であることを押さえられる
- 電圧・周波数の測定と記録の義務まで含めて、条文の全体像をつかめる
苦手意識のある数値暗記が、この単元だけは「得点源」に変わります。落ち着いて、一歩ずつ進んでいきましょう。
暗記フレーズ:101の6、202の20
まず、この記事の背骨になるフレーズを頭に入れてしまいましょう。
101の6、202の20
たったこれだけです。声に出して3回ほど繰り返してみてください。「ひゃくいちのろく、にひゃくにのにじゅう」。リズムがいいので、口が覚えてくれます。
このフレーズが指しているのは、次の内容です。
- 標準電圧が 100V のとき → 維持すべき値は 101Vの上下6Vを超えない値
- 標準電圧が 200V のとき → 維持すべき値は 202Vの上下20Vを超えない値
ここで真っ先に気づいてほしいのが、基準が「100V」でも「200V」でもないという点です。100Vの話なのに基準は101V、200Vの話なのに基準は202V。この1V・2Vのズレこそが、この単元で試験がいちばん狙ってくるポイントです。
「なんで中途半端なんだ」と思われたかもしれません。その違和感、大歓迎です。違和感は記憶の接着剤になります。「ぴったりじゃない」と一度でも引っかかった数字は、二度と忘れません。

ステップ1:なぜ電圧の維持が必要なのか
数字を覚える前に、その数字が守っているものを見ておきましょう。ここを飛ばして数字だけ暗記しようとすると、必ず途中で崩れます。
私たちの家庭には、100V と 200V の電圧が来ています。テレビや冷蔵庫、照明といった一般的な家電は、壁にある100Vのコンセントから電気をもらって動いています。一方、エアコンのように大きな電力を必要とする機器には、200V専用のコンセントが別に設置されているのを見たことがあるはずです。
ここが肝心なところです。これらの機器は、すべて 100Vまたは200Vが来ることを前提に設計されているのです。設計の前提が崩れたらどうなるでしょうか。
- 電圧が低すぎると → モーターが規定の力を出せず、動作不良を起こす
- 電圧が高すぎると → 部品に過大な負担がかかり、発火などの危険につながる
つまり電圧の維持は、単なる「電気の品質の話」ではありません。人の安全と財産を守るためのルールなのです。だからこそ、努力義務という形ではあっても、法令ではっきりと数値の範囲が定められています。
この「安全のために国がルールを敷く」という発想は、法規という科目そのものの根っこにあります。そもそも電気事業法が何のためにあるのかがぼんやりしている方は、先に電気事業法 第1条を「2つの手段 × 4本の柱」で穴埋め完全攻略を読んでおくと、この単元の位置づけがぐっとクリアになります。
ステップ2:標準電圧100V・200Vの維持すべき値
いよいよ本丸です。条文の言い回しから確認しましょう。
一般送配電事業者などは、その供給する電気の電圧の値を、その供給地点において、次の表の右欄に掲げる値に維持するように努めなければならない。
この一文には、押さえるべき言葉が3つ埋まっています。
- 一般送配電事業者など … 義務を負うのは誰か
- 供給地点 … どこで測るのか
- 維持するように努めなければならない … 努力義務という書きぶり
とくに2つ目の「供給地点」を軽く読み飛ばさないでください。判定するのは発電所の出口ではなく、電気が需要家に引き渡される地点です。私たちの家でいえば、家の入り口にあたる場所ですね。
そして、その供給地点で維持すべき値が次の表です。
| 標準電圧 | 維持すべき値 | 具体的な範囲 |
|---|---|---|
| 100V | 101Vの上下6Vを超えない値 | 95V以上 107V以下 |
| 200V | 202Vの上下20Vを超えない値 | 182V以上 222V以下 |

計算そのものは何も難しくありません。「上下6V」ですから、プラス側とマイナス側の両方に6Vずつ振れる、という意味です。
ここで、もう一度だけ確認させてください。基準値は101Vと202Vです。100Vと200Vではありません。 試験の穴埋めで「100Vの上下6V」と書いてしまえば、それだけで失点です。せっかく範囲を覚えていても、基準を1V間違えるだけで答えが変わってしまうのは、あまりにもったいない。
ちなみに、この規定が置かれているのは電気事業法施行規則の第26条です。条番号までは必須ではありませんが、「施行規則に書いてある」という所在だけは意識しておくと、法令の階層の中で迷子になりません。
ステップ3:周波数の維持義務
電圧の話が終わったら、次は周波数です。ここは電圧に比べると、拍子抜けするほどシンプルです。
一般送配電事業者などは、その供給する電気の周波数の値を、その供給地点において、標準周波数に等しい値に維持するように努めなければならない。
電圧のときのような「上下◯Hz」という許容幅は、条文には出てきません。標準周波数に等しい値、つまり「ぴったり合わせるよう努めなさい」という書きぶりです。

なお、日本の標準周波数は東日本が50Hz、西日本が60Hzです。これは条文が定めた数値というより、日本の電力系統が持っている前提条件だと捉えてください。試験でも常識として問われることがありますので、あわせて押さえておきましょう。
電圧は「範囲」、周波数は「等しい値」。この対比で覚えるのが、いちばん取り違えの少ないやり方です。
ステップ4:測定と記録の義務
もう一つ、条文にはセットで書かれている大切な義務があります。それが測定と記録です。
一般送配電事業者などは、供給地点における電圧および周波数を定期的に測定し、その結果を記録しておかなければなりません。

考えてみれば当然の話ですよね。「維持するよう努めます」と口で言うだけでは、本当に守られているのか誰にも確認できません。定期的に測って、記録に残す。この2つがあって初めて、維持義務が実効性を持ちます。
法規では、こうした「ルールを決める → 守る → 記録に残す」という一連の流れが、いろいろな条文で繰り返し登場します。事業者に何かを課すときには、必ずといっていいほど記録や報告がセットになっている。そう思って条文を読むと、暗記すべき項目が「バラバラの断片」ではなく「ひとつの流れ」として頭に入ってきます。
なお、ここで義務を負っている「一般送配電事業者」という言葉に引っかかった方は、事業者の分類そのものを一度整理しておくと理解が段違いに深まります。電気事業の5分類と規制(許可・登録・届出)を完全マスターで全体像を押さえておけば、「誰に課された義務なのか」で迷うことがなくなります。
まとめ
この単元で覚えることを、あらためて一枚に整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 100V供給の電圧 | 101V ± 6V 以内(95V〜107V) |
| 200V供給の電圧 | 202V ± 20V 以内(182V〜222V) |
| 周波数 | 標準周波数に等しい値に維持する努力義務 |
| 判定する場所 | 供給地点 |
| 測定・記録 | 定期的に測定し、結果を記録する |
| 根拠 | 電気事業法施行規則 第26条 |
たったこれだけです。法規という科目は、条文の量に圧倒されて「どこから手をつければいいのか分からない」となりがちですが、こうして一単元ずつ切り取ってみると、覚えることは驚くほど少ないと気づいていただけるはずです。
そして忘れないでほしいのが、暗記フレーズの 「101の6、202の20」。試験会場で数字が飛んだときも、このリズムさえ口から出てくれば、そこから範囲を計算し直せます。丸暗記に頼らず、思い出す手がかりを持っておく。これが法規を安定した得点源に変えるコツです。
⚠ ここを間違える人が多い
この単元は素直に見えて、実は取り違えのパターンがはっきり決まっています。ここを潰しておけば、本番でのミスはほぼ防げます。
❌「100Vの上下6V」「200Vの上下20V」だと思い込む → ✅ 正しくは 101Vの上下6V、202Vの上下20V です。これが最大の落とし穴です。標準電圧はあくまで「呼び値」であって、維持すべき値の基準そのものではありません。範囲を計算するときは、必ず101・202から出発してください。ここを1V・2V取り違えると、95〜107が94〜106になってしまい、答えが丸ごと変わります。
❌ 電圧と同じように、周波数にも「上下◯Hz」の許容幅があると思い込む → ✅ 条文が求めているのは 標準周波数に等しい値への維持です。電圧の直後に周波数の話が出てくるので、つい同じ形式だと思ってしまいますが、書きぶりがまったく違います。「電圧は範囲、周波数はぴったり」と、対で覚えてしまいましょう。
❌ 発電所の出口や、屋内の分電盤の先の電圧だと思ってしまう → ✅ 維持義務が判定されるのは 供給地点 です。事業者が需要家に電気を引き渡す地点であって、その先の屋内配線で多少電圧が下がったとしても、それは事業者の維持義務の話とは別物です。「どこで測るのか」を問う出題もありますので、場所の指定まで含めて条文を読む癖をつけてください。
過去問ではこう出た
電圧および周波数の維持は、平成30年 問10 で出題されています。
この分野の出題は、条文の文言をそのまま虫食いにする穴埋め形式が中心です。「101」「6」「202」「20」といった数値そのものが空欄になるパターンに加えて、「供給地点」「標準周波数」といったキーワードの側が抜かれるパターンもあります。数値だけを覚えて条文の言い回しを読んでいないと、後者で足をすくわれます。
対策はシンプルで、条文を数値ごと音読することです。「その供給する電気の電圧の値を、その供給地点において、101Vの上下6Vを超えない値に維持するように努めなければならない」と、通しで言えるようにしておけば、どこを抜かれても埋められます。数値だけを切り出した暗記より、実はこちらのほうが速く仕上がります。
手を動かして確かめたい方は、こちらからどうぞ。
よくある質問
Q. なぜ基準が100Vや200Vではなく、101Vや202Vという中途半端な値なのですか?
配電線には抵抗があるため、電気が流れると必ず電圧が下がります。供給地点でぎりぎり100Vにしてしまうと、そこから先の屋内配線で少し下がっただけで、機器が受け取る電圧が100Vを割り込んでしまいます。そこで、あらかじめ少し高めの101V・202Vを中心に据えているわけです。「中途半端な数字」ではなく「下がる分を見込んだ数字」だと理解すると、記憶に残りやすくなります。
Q. 「維持するように努めなければならない」ということは、範囲から外れても罰則はないのですか?
条文の書きぶりは、たしかに努力義務の形です。ただし、電気を安定して届けることは事業者の存在意義そのものですから、実務では当然に守るべき水準として運用されています。試験対策としては、「絶対に守れ」ではなく「維持するよう努めなければならない」という条文どおりの言い回しを、そのまま覚えておくのが正解です。文末表現が空欄になる出題もあり得ますので、勝手に強い言葉に言い換えないでください。
Q. この電圧の維持義務は、家の中のコンセントにも適用されるのですか?
適用されるのは供給地点までです。そこから先、屋内の配線や機器で生じる電圧降下は、需要家側の設備の話になります。「どこからどこまでが事業者の責任範囲なのか」という線引きは、法規のあちこちで問われる視点です。設備がどう区分されているのかを整理したい方は、電気工作物の定義|「30V未満でも、つながれば対象」が9割の落とし穴を続けて読んでおくと、責任の境目がはっきり見えてきます。
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