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理論 第4回 ⏱ 約8分で読めます

電線の抵抗を決める4要素/第4の主役は「温度」

電験三種「理論」で計算問題の差がつく電線の抵抗。長さL・断面積S・抵抗率ρの3要素に加え、見落としがちな『第4の要素=温度』を、温度係数αを用いた公式 R₂ = R₁(1+α(T₂−T₁)) の意味から直感的に理解。原子の振動と電子の通り道のイメージで、温度上昇で抵抗が増える理由まで一気にマスターします。

🃏 暗記フレーズ:長さ・太さ・材質・温度の4要素/R₂ = R₁(1+α⊿T)

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この記事で身につくこと

電験三種「理論」科目の超頻出テーマ、電線の抵抗。 基本公式 R = ρL/S は誰でも書けますが、温度変化が絡んだ瞬間に9割の受験生が手を止めます

本記事を読み終えたら、

  • 電線の抵抗を決める 4つの要素 を即答できる
  • なぜ温度が上がると抵抗が増えるのか、人に説明できる
  • 温度係数αを使った公式 R₂ = R₁(1 + α(T₂ − T₁)) を迷わず立式できる

ようになります。

暗記フレーズ:長さ・太さ・材質・温度の4要素

R は、長さで比例・断面積で反比例・材質で決まり・温度で増える

電線の抵抗を決める要素は、ひとことで言えばこの4つ。 「長さ・太さ・材質・温度」 とリズムで覚えてしまうのがおすすめです。

まずは復習:3要素で決まる基本公式

ホースの水流をイメージしてください。

  • ホースが 長い ほど → 水は流れにくい
  • ホースが 細い ほど → 水は流れにくい
  • ホース内の 材質(ザラつき) によっても流れにくさは違う

これを電気に置き換えたのが、おなじみの基本公式です。

R = ρ × L / S
  • L:電線の長さ [m] → 長いほど抵抗大(比例)
  • S(A):断面積 [m²] → 太いほど抵抗小(反比例)
  • ρ(ロー):抵抗率 [Ω・m] → 材質固有の値

💡 補足:抵抗率 ρ の逆数を「導電率」 といいます。「流れにくさ」ではなく「流れやすさ」で語りたいときに使う表現です。

🃏 暗記シート
Q. 電気抵抗の基本公式 R = ?

ここからが本題:第4の要素「温度」

3要素を押さえたところで、本日のメインディッシュ。 実は、電線の抵抗を決める要素はもう一つあります。それが 温度 です。

金属導体は、温度が上がると抵抗が増える

これがまず暗記の出発点。「熱くなると電気が通りにくくなる」と覚えれば十分です。

なぜ温度が上がると抵抗が増えるのか

イメージで掴みましょう。

  1. 温度が上がる
  2. 金属中の 原子・イオンの熱振動が激しくなる(=原子のダンスが激しくなる)
  3. 自由電子が原子にぶつかる回数が増え、電子の通り道が塞がれる
  4. その結果、抵抗値が上昇する

これを身近なイメージにすると、

渋谷のスクランブル交差点で、人混みが増えれば歩きづらくなる

のと同じ。電子も同じで、原子が暴れまわるほど 進路を邪魔されて流れにくくなる、というわけです。

🃏 暗記シート
Q. 金属導体は温度が上がると抵抗はどうなる?
💡 渋谷スクランブル交差点の人混みイメージ

温度変化の公式:R₂ = R₁(1 + α(T₂ − T₁))

この「温度による抵抗の増え方」を、式で表したものがこちら。

R₂ = R₁ × { 1 + α(T₂ − T₁) }
  • R₁:変化前(基準温度 T₁)の抵抗 [Ω]
  • R₂:変化後(温度 T₂)の抵抗 [Ω]
  • α:抵抗温度係数 [1/℃](材質ごとに固有。銅で約 0.00393/℃)
  • T₂ − T₁:温度の上昇分 [℃]

式の読み解き:なぜ「+1」がついているのか

ここでつまずく人がとても多いポイント。

「+1」は、変化前の抵抗 R₁ そのものを残しておくため

中の括弧 α(T₂ − T₁) は、温度上昇に伴う 増加分の比率 を表しています。 これだけだと「増えた分」しか取れないので、+1(=100%、つまり元の R₁ ぶん) を足して、

R₂ =(元の100%)+(増えた分の比率)× R₁

という形にしているわけです。

🃏 暗記シート
Q. 温度変化を考慮した電線の抵抗の公式は?

試験での使いどころ

電験本番でこの公式が顔を出すパターンは、ほぼ次の形です。

  • 20℃ で R [Ω] の電線が、75℃ ではいくらになるか?」
  • 「ある温度で抵抗を測ったら〇〇Ω。温度上昇分から 温度係数αを逆算 せよ」

どちらも R₂ = R₁(1 + α(T₂ − T₁)) に当てはめれば一発です。 基準温度がどちらか(T₁ がどちらか)を取り違えない ことだけ意識してください。

まとめ

  • 電線の抵抗を決めるのは 長さ L・断面積 S・抵抗率 ρ・温度 T4要素
  • 基本公式は R = ρL/S(長さ比例・断面積反比例)
  • 抵抗率の逆数は 導電率(流れやすさを語るときに使う)
  • 金属導体は 温度が上がると抵抗が増える(原子の振動 ↑ → 電子の通り道 ↓)
  • 温度変化の公式は R₂ = R₁(1 + α(T₂ − T₁))
  • 「+1」は 元の抵抗100%を残すため のおまじないと理解する

暗記フレーズ:長さ・太さ・材質・温度の4要素/R₂ = R₁(1+α⊿T)

3要素+温度。この4つを押さえれば、電線の抵抗まわりの計算問題で迷子になりません。

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