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理論 第6回 ⏱ 約8分で読めます

「一番は銀、現場は銅」── 抵抗率2位の銅が電線の王様になった理由

電験三種「理論」科目で頻出の電気材料分野から、抵抗率2位の銅がなぜ現場で電線の標準になっているのかを解説。銀との価格差、加工性、経済性の3視点で整理し、さらに屋内向け『軟銅』と屋外向け『硬銅』の使い分けまで暗記フレーズで一気にマスターできます。

🃏 暗記フレーズ:一番は銀、現場は銅

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この記事で身につくこと

電験三種「理論」の電気材料分野は、暗記の鉄板出題ポイント。中でも 「抵抗率の順位」と「現場で使われる材料」のズレ を理解しているかどうかで、正答率がガラッと変わります。

本記事を読み終えたら、

  • 銀・銅・金・アルミの抵抗率ランキングを即答できる
  • なぜ「1位の銀」ではなく「2位の銅」が標準なのかを説明できる
  • 軟銅と硬銅の用途を、屋内/屋外で迷わず使い分けられる

ようになります。

暗記フレーズ:一番は銀、現場は銅

導電性能のトップは銀。でも、実用性のトップは銅。

電験の電気材料で混乱するポイントは、ほぼこの一行に集約されます。 「ランキング1位 ≠ 現場で使われる材料」 という発想のジャンプさえ押さえれば、関連問題はほぼ落としません。

まずは抵抗率ランキングを叩き込む

抵抗率 ρ は 「電気の流れにくさ」 を表す値。小さいほど電気が流れやすい優秀な導体になります。

順位材料抵抗率(×10⁻⁸ Ω·m)
1位銀(Ag)約 1.62
2位銅(Cu)約 1.72
3位金(Au)約 2.4
4位アルミニウム(Al)約 2.75
参考鉄(Fe)約 10(銀の約6倍)

「金属なら何でも電気を通すんでしょ?」と思いがちですが、鉄は銀の約6倍も抵抗率が大きい。素材選びでここまで差が出るのが、電気材料の面白いところです。

なお、抵抗率の逆数が 導電率 σ = 1/ρ。「通しやすさ」で評価したいときに使う、表裏一体の値です。

🃏 暗記シート
Q. 主要導体の抵抗率を小さい順に並べると?
💡 オリンピックメダルと同じ順位

「2位じゃダメなんですか?」── 銅が選ばれる本当の理由

ここで素朴な疑問が浮かびます。「1位の銀を使えばいいのに、なぜわざわざ2位の銅?」

答えはひと言、価格 です。

銀は銅より 100倍以上も高価

電線は街中・家中に張り巡らされる「長尺で大量に使うもの」。ここに銀を使ったら、電気代どころか電線代だけで国家予算レベルになってしまいます。

そこで現場では、性能と価格のバランスがとれた が標準採用されます。 銀は完全に消えるわけではなく、「導電性をとにかく重要視する高度な機器」 などでは今も活躍中。適材適所、ということですね。

銅が現場で選ばれる3つの理由

教科書的にまとめると、銅のメリットは次の3点に整理できます。

  1. 導電性が高い(抵抗率が小さい・銀に次ぐ2位)
  2. 加工が容易で柔軟性に富む(細い電線にも、太いケーブルにも加工できる)
  3. 経済性に優れる(銀の100分の1以下のコスト)

性能・加工性・コストの三拍子がそろっているから、電線の標準材料 の座を譲らないわけです。

ちなみに、より長距離・大容量の送電では アルミニウム も主役級。 銅より抵抗率は少し大きいものの、軽くて安い のが効いて、高圧送電線では銅よりアルミが選ばれる場面も多くあります。「電力科目」の送配電で改めて出てくるテーマです。

🃏 暗記シート
Q. 抵抗率1位の銀ではなく、2位の銅が電線に多用される最大の理由は?
💡 お財布事情

軟銅と硬銅 ── 同じ「銅」でも2つの顔

電験では、銅そのものをさらに2種類に分けて出題されます。軟銅(なんどう)硬銅(こうどう) です。

種類加工方法特徴主な用途
軟銅焼きなまし処理柔らかい・導電率が高い屋内配線
硬銅冷間加工のまま硬く引張強さが大きい・導電率は軟銅よりわずかに低い屋外の架空電線

ここで一発でハマる暗記フレーズが、

「軟は屋内、硬は屋外」

  • 軟銅 は曲げやすいから、家の中で細かく取り回す 屋内配線 にピッタリ。
  • 硬銅 は強度があるから、電柱間に張る 屋外の架空電線(風や雪や自重に耐える必要あり)に最適。

「強度がほしいか、曲げやすさがほしいか」で素材を切り替えていると考えれば、覚え間違いもなくなります。

🃏 暗記シート
Q. 軟銅と硬銅、それぞれの用途は?
💡 曲げやすさか、頑丈さか

まとめ

  • 抵抗率ランキングは 銀 > 銅 > 金 > アルミ
  • 1位の銀は高すぎて電線には使えない → 2位の銅 が現場の標準
  • 銅が選ばれる理由は 導電性・加工性・経済性 の三拍子
  • 銅は 軟銅(屋内配線)硬銅(屋外の架空電線) に分かれる
  • 試験で迷ったら合言葉:「一番は銀、現場は銅」「軟は屋内、硬は屋外」

電気材料の出題は、ほぼこの整理で取り切れます。次は、いよいよ電気計算のキモ オームの法則 へ進み、ここまで学んだ「抵抗」の知識を本格運用していきましょう。

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