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理論 第9回 ⏱ 約20分で読めます

オームの法則は「公式円」で攻略!V=RIで電験計算の9割が片付く

電験三種「理論」科目のすべての計算問題の出発点『オームの法則』を完全図解。電圧V・電流I・抵抗Rの3つの関係を、暗記フレーズ V=RI と公式円ルールで一発整理。求めたい量を指で隠すだけで、掛け算か割り算かが瞬時に判別できる裏ワザを解説します。

🃏 暗記フレーズ:電圧=電流かける抵抗、V=RI

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この記事で身につくこと

電験三種の勉強を始めて、最初に出てくる計算問題。ページをめくった瞬間に「うっ」となって、そのまま参考書を閉じてしまった経験はありませんか。

大丈夫です。実は、電験三種の計算問題の大半は、たった1本の式から派生しています。それが今日のテーマ、オームの法則です。

回路図がどれだけ複雑に見えても、部品が何十個並んでいても、最終的にはオームの法則の組み合わせで解けます。逆に言えば、ここが曖昧なまま先に進むと、この先ずっと足元がぐらつき続けます。だからこそ、理論科目の一番最初に、確実に押さえておく価値があるのです。

この記事を読み終わると、こんな状態になります。

読む前読んだ後
V・I・Rの記号と単位がごちゃまぜ記号と単位をペアで即答できる
式変形のたびに手が止まる公式円で3秒で式が出せる
「比例」「反比例」がどっちか怪しい電流は電圧に比例・抵抗に反比例と即答
回路図の電源記号を読み飛ばす直流と交流を記号で見分けられる

数学が苦手でも問題ありません。ここで使うのは、掛け算と割り算だけです。

暗記フレーズ:電圧=電流かける抵抗

まず、この1行だけ覚えて帰ってください。

電圧=電流かける抵抗(V=RI)

これがオームの法則の本体です。他に何を忘れても、この式さえ手元にあれば、あとは変形するだけで全部出せます。声に出して3回、唱えてみてください。「電圧イコール電流かける抵抗」。それだけで、今日の8割は終わったようなものです。

ステップ1:オームの法則は「すべての起源」

すべての基礎・オームの法則は電験計算問題のほぼすべてに絡む絶対法則

電験三種の理論科目に出てくる回路図は、正直、見た目が怖いです。抵抗がいくつも並び、線が交差し、記号が散らばっている。

けれど、その複雑さは「オームの法則を何回も使う」というだけの話です。1か所ずつ切り取れば、そこにあるのは V・I・R の3つだけ。この基本法則が、すべての計算問題の出発点になっています。

つまり、オームの法則を覚えれば合格できる、という話ではありません。ただし、オームの法則が曖昧なままでは、絶対に合格できない。そういう位置づけの法則です。

ステップ2:V・I・R、記号と単位はペアで覚える

電圧V・電流I・抵抗R|3つの関係を表すオームの法則の基本式と単位

オームの法則が結びつけているのは、次の3つです。記号と単位がずれると計算が全部ずれるので、必ずセットで頭に入れます。

英語記号単位読み
電圧VoltageVVボルト
電流CurrentIAアンペア
抵抗ResistanceRΩオーム

覚え方はシンプルで、記号は英単語の頭文字です。Voltage の V、Resistance の R。電流だけ Current なのに I なので引っかかりますが、ここは「電流だけ例外」と割り切って覚えてしまうのが早道です。

🃏 暗記シート
Q. オームの法則で使う電圧V・電流I・抵抗Rの単位を、それぞれ答えよ。
💡 記号と単位はペアで覚える

ステップ3:電流は「正極から負極へ」流れる

電流I[A]の流れ方|電線中を正極+から負極−へ流れる電流の基本イメージ

電流の向きは、電線の中を 正極(+)から負極(−)へ 流れる、と決められています。

ここで一点だけ注意があります。実際に動いている電子は、これと逆向きに進んでいます。試験でも「電流の向きと電子の向きは逆」と問われることがあるので、混同しないようにしておきましょう。

なぜ逆になるのか、電子の正体からきちんと押さえたい方は、〈電位差は『山の高低差』!高い→低いで電気は流れる〉を先に読んでおくと、この先の理解がぐっと楽になります。

ステップ4:電圧は「押す力」、抵抗は「妨げる力」

電圧Vは電流を送り出す力・抵抗Rは電流の流れを妨げる|2つの役割を完全比較

電圧と抵抗は、きれいに正反対の役割を持っています。

電圧 V抵抗 R
役割電流を送り出す力電流の流れを妨げる
イメージ勢いよく押し出す矢印細いゲートで絞られる矢印
大きくすると電流が増える電流が減る

この2つがシーソーのように綱引きをして、その結果として電流の大きさが決まります。「押す側」と「抑える側」——この対立構造を頭に入れておくと、次のステップの比例・反比例が丸暗記でなく理解として入ってきます。

ステップ5:基本回路は「電源・電流・抵抗」の1ループ

回路図での表現と基本構成|電池V・電流I・抵抗Rのシンプルな1ループ回路を完全理解

回路図でのオームの法則は、拍子抜けするほど単純な形をしています。左に電源V、そこから出た電流Iが回路をぐるっと一周し、右にある抵抗Rを通って戻ってくる。これだけです。

試験に出てくる回路図は、この1ループが大量に組み合わさっているにすぎません。基本構成の意味さえ読み取れれば、あとは組み合わせのパズルです。難しく見える回路ほど、分解すれば全部この形に還元できます。

ステップ6:電源記号の「まっすぐ」と「波」を見分ける

ミニ補足・電源の記号に注意|直流DC・交流ACの記号と性質を完全比較

回路図で意外と見落とされるのが、電源の記号です。ここを読み違えると、解き方そのものが変わってしまいます。

直流(DC)交流(AC)
記号まっすぐな線波線
性質常に一定の方向に流れる時間とともに向きと大きさが変わる
学習順まずこちらから直流回路のあと

見分け方は「まっすぐか、波か」だけなので、一度覚えれば忘れません。交流は直流回路をひと通り終えてから学ぶ分野なので、今の段階では記号と性質の違いだけ押さえておけば十分です。

ステップ7:電流は電圧に比例、抵抗に反比例

関係性のコア・電流Iは電圧Vに比例・抵抗Rに反比例|オームの法則の本質を一発整理

ここがオームの法則の本質です。電流Iを基準に見ると、こうなります。

変えるもの電流Iはどうなる関係
電圧Vを大きくする増える比例
抵抗Rを大きくする減る反比例

言葉で言えば、電圧と電流は仲良し、抵抗は邪魔者。押す力を強めれば流れは増え、通り道を狭くすれば流れは減る。水道の蛇口を思い浮かべれば、感覚で納得できるはずです。

「比例」と「反比例」は試験で入れ替えて出題される定番ポイントなので、この対応表は確実に押さえておきましょう。

🃏 暗記シート
Q. オームの法則において、電流Iは電圧V・抵抗Rに対してそれぞれどのような関係にあるか?

ステップ8:求めたい量で式は3つに変わる

求めたい量で式が変わる|V=RI・I=V/R・R=V/Iの3式整理と丸暗記の落とし穴

問題文が何を聞いてくるかによって、使う式の形は変わります。

求めたい量
電圧 V
電流 I
抵抗 R

「3つも覚えるのか……」と思われたかもしれません。実は、この3つを丸暗記する必要はありません。次のステップで紹介する道具を使えば、V=RI という1本だけ覚えておけば、残り2つはその場で作れます。

ステップ9:公式円——求めたい量を「隠す」だけ

これが今日の目玉、公式円です。円を3つに区切り、上にV、左下にR、右下にIを配置します。

使い方は驚くほど簡単で、求めたい量を指で隠す。たったそれだけです。すると、残った2つの位置関係が、そのまま式の形を教えてくれます。

横並びなら掛け算、縦並びなら割り算(上÷下)

式変形が苦手で、毎回「ええと、Rを移項して……」と手が止まっていた方には、これが特効薬になります。

ステップ10:Vを求める——横並びは掛け算

電圧Vを求めたいときは、円の上にあるVを指で隠します。

残るのは、左下のRと右下のI。この2つは横に並んでいるので、ルールどおり掛け算です。

移項も何もしていません。ただ指で隠して、残ったものを読んだだけ。これで電圧の式が完成します。

ステップ11:IとRを求める——縦並びは割り算

残り2パターンも、やることは同じです。

隠す場所残る2つの並び読み取れる式
I(右下)を隠すV(上)とR(左下)が縦並び
R(左下)を隠すV(上)とI(右下)が縦並び

縦に並んだら、上を下で割る。これで3パターンすべてが揃いました。

ただし、これは本番で毎回描くための道具ではありません。試験中に円を描いている時間はありませんから、練習の段階で何度も使い、最終的には見なくても式が出てくる状態を目指してください。公式円は、そこにたどり着くまでの補助輪です。

🃏 暗記シート
Q. オームの法則の「公式円」で、求めたい量を隠したときの読み取りルールは?
💡 円の上がV、左下がR、右下がI

まとめ

オームの法則は、電験三種の計算問題の出発点です。今日の内容を1枚に凝縮すると、こうなります。

項目内容
基本式(電圧=電流かける抵抗)
記号と単位V=ボルト[V]/I=アンペア[A]/R=オーム[Ω]
電流の向き正極(+)から負極(−)へ(電子とは逆)
役割電圧は送り出す力、抵抗は妨げる力
関係電流は電圧に比例、抵抗に反比例
3つの式
裏ワザ公式円で隠す。横並び=掛け算、縦並び=割り算

なお、この「V=RI」という形は、電験三種の中で何度も姿を変えて再登場します。磁気の分野では、起磁力・磁束・磁気抵抗が同じ構造の式で結ばれます。興味が湧いた方は〈磁気回路のオームの法則とは?起磁力・磁束・磁気抵抗の対応〉をのぞいてみてください。「あ、形が同じだ」と気づけた瞬間、暗記量が一気に減ります。

⚠ ここを間違える人が多い

オームの法則そのものは単純ですが、だからこそ選択肢に仕込まれたわずかな入れ替えにやられます。実際につまずきやすい3点を挙げます。

❌ 「比例」と「反比例」を取り違える

問題文で「電流は抵抗に比例し」と書かれていても、スラスラ読むと違和感なく通過してしまいます。

✅ 正しくは、電流は電圧に比例、抵抗に反比例。押す力(電圧)が強ければ流れは増え、通り道(抵抗)が狭ければ流れは減る——この物理的なイメージとセットで持っておけば、文章がひっくり返っていても違和感で気づけます。文章題では「比例」「反比例」という語に必ず印をつけながら読む癖をつけましょう。

❌ 掛け算と割り算を反対にしてしまう

と書いてしまう。焦っているときほど起きます。

✅ 対策は、単位で検算することです。[V]÷[Ω]が[A]になる、という感覚を持っておけば、逆に書いた瞬間に「単位が合わない」と気づけます。もう一つの保険が公式円です。円を思い浮かべて隠すだけなので、混乱したときの立て直しが速くなります。

❌ 電流の向きと電子の向きを同じだと思い込む

回路図の矢印を見て、そのまま「電子もこっちに動いている」と考えてしまうパターンです。

✅ 電流は正極から負極へ。電子はその逆向きに動きます。この向きの取り違えは、後で学ぶ電磁力(左手の法則)の分野で致命傷になります。今のうちに「電流の向きが基準、電子は逆」と固定しておきましょう。

過去問ではこう出た

オームの法則そのものを単独で問う出題は多くありませんが、計算問題の中に部品として必ず埋め込まれています。テーマで照合した範囲では、次の3問が該当します。

年度問番号
平成28年問3
平成28年問8
平成28年問12

出題のされ方には、はっきりした傾向があります。ひとつは、回路の一部だけを取り出して V・I・R のどれかを求めさせる素直な形。もうひとつは、合成抵抗や電力の計算の途中に が挟まっていて、そこで間違えると最終的な答えが合わなくなる形です。

つまり、オームの法則で落とす1問は「オームの法則の問題」として現れるとは限りません。他の問題の中に潜んでいるぶん、ここが不安定なままだと失点が広く散らばります。だからこそ、真っ先に固めておく価値があるのです。

手を動かして確認したい方は、こちらからどうぞ。

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よくある質問

Q. 公式円は試験本番でも使っていいのですか?

使っても構いませんが、本番で毎回描くことは想定しないでください。試験は時間との勝負で、1問あたりに使える時間は限られています。公式円はあくまで練習用の補助輪です。問題演習のときに繰り返し使ううちに、円を思い浮かべなくても式が出てくるようになります。その状態まで持っていくのが目標で、本番は「混乱したときの緊急避難」として頭の隅に置いておく、という使い方が理想です。

Q. V=RI と V=IR は違うのですか?

同じです。掛け算なので順序を入れ替えても値は変わりません。参考書によって表記が違うので不安になりますが、どちらも正しい書き方です。この記事では暗記フレーズ「電圧=電流かける抵抗」と、公式円(上がV、下段がRとI)に合わせて で統一しています。自分がしっくりくる方に決めて、そちらで固定してしまいましょう。表記を毎回ぶれさせないことが、ミスを減らす一番の近道です。

Q. 抵抗が0のとき、電流はどうなるのですか?

の分母が0になるので、計算上は電流が無限大になります。現実には電線そのものの抵抗があるため無限大にはなりませんが、非常に大きな電流が流れる状態——これが短絡(ショート)です。逆に抵抗が非常に大きい場合は電流がほとんど流れず、断線に近い状態になります。式の意味を極端な値で確かめておくと、「比例・反比例」が本当に体に入ります。

Q. この先、オームの法則はどこで使うのですか?

ほぼ全域です。直列・並列の合成抵抗、キルヒホッフの法則、交流回路のインピーダンス計算——どれも土台にオームの法則があります。特につながりが深いのが電力の計算で、 を代入すると が出てくる、という具合に式が枝分かれしていきます。この流れは〈P=VI・P=RI²・P=V²/Rの使い分け|電力の公式〉で詳しく扱っているので、オームの法則が固まったら次の一歩として読んでみてください。

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この記事を書いた人

資格LABO

電験三種を含め、さまざまな資格を一発合格した経験をもとに、 忙しい社会人が最短距離で受かるための教材とYouTube解説を作っています。 暗記シート・講義ノートは累計2,000部を突破し、 多くの合格報告をいただいています。

保有資格

電気主任技術者電気工事士公害防止管理者放射線取扱主任者中学校・高等学校 教員免許
  • ⚡ 電験三種・電験二種の解説動画をYouTubeで公開中
  • 📚「勉強の過程」より「結果を重視」した教材の制作・販売
  • 🏋️ 過去問対策Webサービス「電験ジム」を開発・運営

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