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理論 第11回 ⏱ 約10分で読めます

合成抵抗で電圧・電流は完全に逆転する:直列『電流ひとつ』/並列『電圧ひとつ』

電験三種「理論」で必ず出る『合成抵抗が変わると電圧・電流はどう振る舞うか』を完全攻略。直列は『電流ひとつ』、並列は『電圧ひとつ』。たった一行の合言葉で、分圧・分流・計器の接続まで一気通貫で解けるようになります。

🃏 暗記フレーズ:直列=電流ひとつ/並列=電圧ひとつ

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この記事で身につくこと

電験三種「理論」で必ず問われる 回路計算。その入口でつまずく原因は、いつも同じです。

直列と並列で、電圧と電流のどっちが「分かれる」のか分からない。

ここで9割の受験生が混乱します。しかし本質は拍子抜けするほど単純で、直列と並列では、電圧と電流の振る舞いが完全に逆になる だけです。

読み終わるころには、

  • 合成抵抗が変わると、なぜ電圧・電流の振る舞いが入れ替わるかが分かる
  • 分圧・分流 の式が「比例/反比例」で直感的に書ける
  • 電流計を直列、電圧計を並列につなぐ 理由 が即答できる

ようになります。

暗記フレーズ:直列=電流ひとつ/並列=電圧ひとつ

直列は「電流ひとつ」、並列は「電圧ひとつ」

これだけ。本記事はこの一行を、式とイメージの両面から肉付けしていく作業です。

なぜ合成抵抗で振る舞いが「逆転」するのか

回路計算は、ざっくり 3段階のルート で進みます。

  1. 抵抗 R を、直列・並列のルールで 合成 する
  2. オームの法則で、電流 I または電圧 V を求める
  3. 最後に、電力 W や損失を求める

ここで効いてくるのが「直列か並列か」。合成のしかたが変わると、回路の中で『一定なもの』と『分かれるもの』が入れ替わる のです。

接続一定なもの分かれるもの合成抵抗
直列電流 I電圧 V(分圧増える(R₁ + R₂)
並列電圧 V電流 I(分流小さくなる(積和)

縦に見ても横に見ても、直列と並列は完全に対 になっています。この対称性こそが、暗記負荷を一気に下げてくれる正体です。

直列接続:電流が「ひとつ」、電圧は分かれる

抵抗が1列に連なる直列回路は、一本道の障害物リレー だと思ってください。

─[R₁]──[R₂]─
   I      I   ← どこを測っても同じ
   V₁     V₂  ← 抵抗ごとに分かれる
  • 電流I = I(一定)
  • 電圧V = V₁ + V₂(足し合わせると電源電圧)
  • 合成抵抗R = R₁ + R₂(足し算で増える)

電流が一定なので、各抵抗にかかる電圧はオームの法則からそのまま、

V₁ = R₁ × I
V₂ = R₂ × I

つまり 抵抗値に比例 して電圧が割り当てられる。これが 分圧 の正体です。大きいハードルほど、走者(電流)はそこで多くのエネルギーを奪われる、というイメージです。

🃏 暗記シート
Q. 直列接続では、何が「ひとつ」で、何が「分かれる」?
💡 1本道のイメージ

並列接続:電圧が「ひとつ」、電流は分かれる

並列回路は、分かれ道で並走する複数のルート

   ┌─[R₁]─┐
─┤        ├─
   └─[R₂]─┘
   両端の V は同じ/I は枝ごとに分配
  • 電圧V = V(どの枝も同じ)
  • 電流I = I₁ + I₂(枝ごとに分かれて合流)
  • 合成抵抗R = (R₁ × R₂) / (R₁ + R₂)積和(和分の積)

電圧が一定なので、各枝の電流はオームの法則から、

I₁ = V / R₁
I₂ = V / R₂

つまり 抵抗値に反比例 して電流が分配される。これが 分流。抜け道(ルート)が増えるほど全体としては流れやすくなるので、合成抵抗は 小さくなる 方向に動きます。

💡 公式は必ず 「上が積、下が和」 の順で覚える。電験では「せき・わ」と口で唱える受験生が多い定番フレーズです。

🃏 暗記シート
Q. 並列接続では、何が「ひとつ」で、何が「分かれる」?
💡 分かれ道のイメージ

完全保存版:直列 vs 並列 比較マトリクス

比較項目直列並列
合言葉電流ひとつ電圧ひとつ
電圧 VV = V₁ + V₂(分かれる)V = V(一定)
電流 II = I(一定)I = I₁ + I₂(分かれる)
合成抵抗R = R₁ + R₂(増える)R = R₁R₂ / (R₁+R₂)(小さくなる)
抵抗との関係電圧は 抵抗に比例(分圧)電流は 抵抗に反比例(分流)

電圧と電流の行を 横に読むと完全な裏返し になっているのが分かります。覚えるべきは「逆転している」という事実ひとつだけです。

🃏 暗記シート
Q. 直列回路の各抵抗にかかる電圧は、抵抗値に対してどう振る舞う?
🃏 暗記シート
Q. 並列回路の各枝に流れる電流は、抵抗値に対してどう振る舞う?

実践応用:計器の接続が「逆」になる理由

この合言葉は、机上の暗記で終わりません。実機の 計器の接続方法 にそのまま直結します。

計器接続理由
電流計直列直列なら「電流ひとつ」。回路本流の電流をそのまま測れる
電圧計並列並列なら「電圧ひとつ」。測りたい部品にかかる電圧をそのまま測れる

電圧計をうっかり直列に挟むと、回路電流がほぼ流れなくなる(電圧計の内部抵抗は非常に大きい)。電流計をうっかり並列につなぐと、低抵抗の電流計に大電流が集中して焼損する。接続方法の理屈は、ぜんぶ「ひとつ」の暗記フレーズに収束 します。

🃏 暗記シート
Q. 電流計と電圧計は、それぞれ回路にどう接続する?
💡 暗記フレーズがそのまま使える

まとめ

  • 合成抵抗が直列か並列かで、「一定なもの」と「分かれるもの」が完全に入れ替わる
  • 直列=電流ひとつ/並列=電圧ひとつ。対の関係を頭に焼き付ければ迷わない
  • 直列は 分圧(電圧は抵抗に比例)、並列は 分流(電流は抵抗に反比例)
  • 計器の接続(電流計=直列/電圧計=並列)も、この合言葉でそのまま説明できる

暗記フレーズ:直列=電流ひとつ/並列=電圧ひとつ

この一行が頭にあれば、回路計算は「どっちが分かれるか」で迷子になりません。

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