直巻式 直流機を「一直線」で攻略!発電機と電動機の電圧公式の違い
電験三種「機械」科目の直巻式 直流発電機・直流電動機を、『Ia=Ifで一直線』『父と子に税金は Ra+Rf』という2つのキーワードで徹底比較。分巻式との違い、電圧公式の符号、なぜ If=V/Rf が使えないのかまで、計算ミスを根絶する1記事です。
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この記事で身につくこと
前回(05-機械)で扱った 分巻式 の発電機 vs 電動機。今回は対になる 直巻式(シリーズ) の比較です。
分巻と直巻は「界磁巻線がどこに繋がっているか」だけの違いですが、その一点が 電圧公式の形 と 計算手順 をガラッと変えてしまいます。
本記事を読み終えたら、
- 直巻発電機と直巻電動機の 電圧公式の違い が即答できる
- 電圧降下が Ra + Rf になる理由を説明できる
- 分巻で重宝した If = V / Rf が直巻で使えない理由 が腹落ちする
ようになります。
暗記フレーズ:直巻は一直線。父と子に税金は Ra+Rf
直巻は一直線。父と子に税金は Ra+Rf
直巻の本質は 「電機子と界磁が一本の線でつながっている」 こと。 分流という概念がなく、流れる電流は最初から最後まで Ia = If = 1本だけ。 だから電圧降下も Ra と Rf を 足した分 だけ、一度にかかります。
直巻発電機:電流は「一直線」、Ia = If
まず発電機側の回路。電機子で発生した起電力 E が電機子電流 Ia を生み、そのまま界磁巻線 → 負荷へと 一本道で 流れていきます。
[電機子 E] ─ Ra ─ [界磁巻線 Rf] ─ [負荷] ─ 戻る
↑ 同じ電流が全部を流れる
分巻のように「Il と If に分かれる」ことはありません。よって、
Ia = If = Il
電圧の関係は、Ra と Rf 両方の電圧降下を引いて、
V = E − Ia(Ra + Rf)
⇔ E = V + Ia(Ra + Rf)
父と子の比喩:発電機編
分巻と同じ比喩がそのまま使えます。違うのは 税金が増えた こと。
- E(起電力)= 父親
- V(端子電圧)= 息子
- Ia(Ra + Rf) = 税金(Ra に加えて Rf 分も追加)
お父さん E が、税金 Ia(Ra+Rf) を引かれて、息子 V に渡す。 だから E > V。
「電機子抵抗だけで計算して Rf を忘れる」――これが直巻発電機での 最頻出ミス。一本道だから Rf も必ず通ると覚えてください。
直巻電動機:父と子が入れ替わるだけ
電動機側でも、回路の繋がりは同じ「一直線」です。電源電圧 V から電流が流れ込み、電機子 → 界磁 → 戻る、という1本ループになります。
V = E + Ia(Ra + Rf)
⇔ E = V − Ia(Ra + Rf)
ここでも E は 逆起電力。電動機が回転すると、電機子に電源と打ち消す向きの起電力が立ち上がります。
父と子の比喩:電動機編
分巻のときと同じく、父と子が入れ替わる だけ。税金の中身(Ra+Rf)は発電機と共通です。
- V(電源電圧)= 父親
- E(逆起電力)= 息子
- Ia(Ra + Rf) = 税金
お父さん V が、税金 Ia(Ra+Rf) を引かれて、息子 E に渡す。 だから V > E。
発電機・電動機どちらも、「大きい方 − Ia(Ra+Rf) = 小さい方」――この一文に集約されます。
なぜ分巻の「If = V / Rf」が使えないのか
分巻式では、界磁巻線が端子電圧 V と並列にぶら下がっていたので、オームの法則で一発でした。
(分巻)If = V / Rf ← 発電機も電動機も共通
ところが直巻では、界磁巻線は V と並列ではなく、電機子と直列。 そのため界磁にかかる電圧は V ではなく、ただの Ia × Rf という電圧降下です。
直巻では If は V から決まらない。先に Ia が決まり、自動的に If = Ia になる。
「If を求めよ」という問題が出たら、まず Ia を出す ―― これが直巻の鉄則です。
早見表:直巻発電機 vs 直巻電動機
| 項目 | 直巻発電機(G) | 直巻電動機(M) |
|---|---|---|
| 電流の向き | 外向き(電機子→負荷) | 内向き(電源→電機子) |
| 電流の関係 | Ia = If = Il(一本道) | Ia = If = I(一本道) |
| 電圧の式 | E = V + Ia(Ra+Rf) | V = E + Ia(Ra+Rf) |
| 大小関係 | E > V(父E が大) | V > E(父V が大) |
| 父と子 | E が父・V が子 | V が父・E が子 |
| If の求め方 | If = Ia(V/Rf は使えない) | If = Ia(V/Rf は使えない) |
分巻 vs 直巻:見た目はそっくり、中身は別物
電圧式だけ並べると、分巻と直巻はほぼ同じ顔つきです。違いは 「税金に Rf が含まれるか」 だけ。
| 比較 | 分巻 | 直巻 |
|---|---|---|
| 界磁の接続 | 電機子と並列 | 電機子と直列 |
| 電流関係 | Ia と If は別 | Ia = If(同じ) |
| 電圧降下 | Ia × Ra のみ | Ia × (Ra+Rf) |
| If の式 | If = V / Rf | If = Ia(V/Rf 不可) |
→ 「分巻のノリで Ra だけ引く」「If = V/Rf を使う」がそのまま直巻でやってしまう 二大事故 です。
まとめ
- 直巻は 電機子と界磁が一直線(直列)。常に Ia = If が成立する
- 電圧公式は 「大きい方 − Ia(Ra+Rf) = 小さい方」 で統一して覚える
- 発電機は E が父、電動機は V が父(分巻と同じ)
- 分巻の If = V / Rf は直巻では使えない。直巻では先に Ia を出す
- 分巻との違いは「税金に Rf が入る」「分流がない」の2点だけ
暗記フレーズ:直巻は一直線。父と子に税金は Ra+Rf
「一直線」と「税金は Ra+Rf」――この2つさえ握っておけば、直巻の計算で符号や抵抗を取りこぼす事故はもう起きません。
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