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機械 第7回 ⏱ 約10分で読めます

直流電動機の速度制御は「どこを変えるか」だけ─抵抗・界磁・電圧の3方式を数式で攻略

電験三種「機械」科目で頻出の直流電動機の速度制御を、速度式 N=(V−raIa)/(K1Φ) の『どこを変えるか』という1点に絞って完全図解。抵抗制御・界磁制御・電圧制御の3方式と、ワードレオナード・静止レオナード・直流チョッパまで一気に整理します。

🃏 暗記フレーズ:速さ制御は抵抗・界磁・電圧

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この記事で身につくこと

電験三種「機械」科目の中でも、直流電動機の速度制御 は計算問題と知識問題の両方で頻出。 ところが「界磁を弱めると速度が上がる」「電圧制御にはレオナードやらチョッパやら3種類ある」と、丸暗記で挑むと一発で迷子になる分野でもあります。

本記事を読み終えたら、

  • 速度式 N = (V − ra·Ia) / (K1·Φ) のどこをいじれば速度がどう変わるかを即答できる
  • 抵抗制御・界磁制御・電圧制御の3方式を、数式の連鎖で説明できる
  • 直巻モーターとの違い、過速度の注意点、電圧制御の3実現方式まで一気に整理できる

ようになります。「丸暗記」ではなく「どこを変えると速度が変わるか」の視点で読み進めてみてください。

暗記フレーズ:速さ制御は抵抗・界磁・電圧

速さ制御は抵抗・界磁・電圧

直流電動機の速度制御は、結局この3つしかありません。

  • 抵抗制御 … 電機子抵抗 ra を変える
  • 界磁制御 … 磁束 Φ(界磁電流)を変える
  • 電圧制御 … 端子電圧 V を変える

「どのつまみを回すか」だけの違いです。3つセットで頭に入れてしまいましょう。

数式解剖①:他励・分巻モーターの速度式

まずは式そのものを分解します。他励・分巻モーターの回転速度は、

N = Ea / (K·Φ) = (V − ra·Ia) / (K1·Φ)   [min⁻¹]

で表されます。文字が多いので、それぞれの役割を分けて見ます。

文字意味制御方式との関係
V端子電圧電圧制御のつまみ
Ia電機子電流負荷で決まる
ra電機子抵抗抵抗制御のつまみ
Φ磁束界磁制御のつまみ
K1定数いじれない

ポイントは、V・ra・Φの3つがそのまま3方式のつまみに対応する ということ。 式を眺めながら「分子をいじる?分母をいじる?」と意識するだけで、3方式は一気に整理できます。

🃏 暗記シート
Q. 他励・分巻モーターの速度式は?

数式解剖②:直巻モーターとの違いは「1箇所だけ」

直巻モーターは、回路図上で電機子抵抗 ra と直巻界磁抵抗 rf が 直列 に並びます。 そのため、速度式は分子の抵抗が足し算になるだけで、構造は他励・分巻と同じです。

他励・分巻:N = (V − ra·Ia) / (K1·Φ)
直巻   :N = (V − (ra + rf)·Ia) / (K1·Φ)

違いは (ra + rf) の1点だけ。考え方は完全に同じ。

直巻モーターが試験で出てきても、「rf が足されるだけ」と思えればパニックになりません。

①抵抗制御:分子のマイナスを大きくする

電機子回路に 直列に抵抗を挿入 し、ra を大きくする方式です。 式の連鎖を追うと、

ra が 増える → 分子 (V − ra·Ia) が 小さくなる → 速度 N が下がる

たんなる引き算の話で、感覚どおりに速度が下がります。 シンプルですが、抵抗で電力を熱として捨てるため 効率が悪い のがデメリットです。

②界磁制御:分母を小さくして、速度を上げる

界磁電流を絞って磁束 Φ を弱める方式。ここが直流電動機の速度制御で 一番直感に反する ポイントです。

Φ が 減る → 分母 (K1·Φ) が 小さくなる → 速度 N が上がる

「磁束を弱めたのに速度は上がる」── 数式で追わないとなかなか納得できない動きです。 試験ではこの逆説を狙って出題されるので、必ず 数式の位置(分母) とセットで覚えてください。

そしてもう1点、絶対に外せない注意事項があります。

⚠️ 界磁を弱めすぎると過速度(オーバースピード)になり危険

「界磁制御」と「過速度」はセットで問われます。1セットで暗記しておきましょう。

🃏 暗記シート
Q. 界磁を弱める(Φを減らす)と速度はどうなる?
💡 Φは式のどこにある?

③電圧制御:大元を変える、最も理想的な方式

端子電圧 V を直接変える方式。式の分子の「大元」を動かすので、

V を上げる → 分子が大きくなる → 速度 N が上がる V を下げる → 分子が小さくなる → 速度 N が下がる

と、Vと速度がそのまま比例的に動く、もっとも素直で効率も良い方式です。 電験三種では、実現方法の名前 までセットで問われます。

電圧制御を実現する3方式

方式概要特徴
ワードレオナード方式交流電動機で直流発電機を回し、その発電機の出力電圧で電動機を制御精密・広範囲だが大がかり
静止レオナード方式交流電源を サイリスタ で整流し、点弧角で直流電圧を調整発電機が不要で小型・高効率
直流チョッパ方式直流電源を 半導体スイッチ でON/OFFし、平均電圧を変える直流電源向き・回生制動も可

名称と分類をセットで暗記! ワードレオナード・静止レオナード・直流チョッパ

🃏 暗記シート
Q. 電圧制御の代表的な3つの実現方式は?

総まとめ:直流電動機 速度制御マトリクス

最後にスクリーンショット推奨の総まとめ表です。

制御方式操作する変数(数式の位置)試験でのポイント
抵抗制御ra(分子のマイナス部分)抵抗を増やすと速度は 下がる
界磁制御Φ(分母)磁束を減らすと速度は 上がる/過速度に注意
電圧制御V(分子の大元)ワードレオナード・静止レオナード・直流チョッパ

「どこを変えれば速度が変わるのか」── これさえ式で押さえてしまえば、もう迷うことはありません。

まとめ

  • 直流電動機の速度式は N = (V − ra·Ia) / (K1·Φ)
  • 速度制御は 抵抗・界磁・電圧 の3方式。式の V・ra・Φのどれを動かすか の違いだけ
  • 抵抗制御:ra を増やす → 速度↓
  • 界磁制御:Φ を減らす → 速度↑(過速度に注意
  • 電圧制御:V を変える → 速度がそのまま連動。実現方式は ワードレオナード/静止レオナード/直流チョッパ
  • 直巻モーターは分子の抵抗が (ra + rf) になるだけ。考え方は同じ

暗記フレーズ:速さ制御は抵抗・界磁・電圧

数式の「どこを変えるか」さえブレなければ、計算問題も知識問題も得点源にできます。

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