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機械 第10回 ⏱ 約9分で読めます

変圧器は「電気のバトン」で一発理解|電磁誘導と巻数比

電験三種「機械」科目で頻出の変圧器を、役割・構造・冷却方式・原理・計算まで一気に整理。アンペールの法則で磁束を作り、ファラデーの法則で2次コイルへ『鎖交』する流れを『電気のバトン』のイメージで直感理解。電圧比=巻数比の公式まで一本道でマスターできる記事です。

🃏 暗記フレーズ:変圧器=電圧を変える装置、原理は電磁誘導

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この記事で身につくこと

電験三種「機械」科目の冒頭でいきなり登場するボス、それが 変圧器。 「電磁誘導」「鎖交」「巻数比」と聞き慣れない単語が並んで、ここで挫折する受験生が後を絶ちません。

ですが本質は、鉄心に2つのコイルを巻いて、片方から片方へ「電気のバトン」を渡しているだけ。これさえ掴めば、構造も計算も一気に得点源に変わります。

本記事を読み終えたら、

  • なぜ変圧器が必要なのかを送電損失の式で説明できる
  • アンペール → ファラデーの2ステップで電圧変換を語れる
  • V₁ / V₂ = N₁ / N₂ を使って計算問題を解ける

ようになります。

暗記フレーズ:変圧器=電圧を変える装置、原理は電磁誘導

変圧器 = 電圧を変える装置 / 原理は 電磁誘導

これを軸に、役割・構造・原理の3パートで整理していきます。

なぜ変圧器が必要なのか:高圧で送り、低圧で使う

発電所で作られた電気は 超高圧。これを長距離運ぶ送電線でも高圧のまま、そして工場・ビル・家庭の手前で 低圧 に下げて配ります。

場所電圧の目安理由
発電所〜送電線数万〜数十万V長距離輸送のロス削減
工場・ビル6,600V以上大きな動力負荷に対応
一般家庭100V / 200V人が触れるので安全優先

各施設に合わせて電圧を自由に変える、その役割を一手に担うのが変圧器です。

送電損失を防ぐカラクリ:電流の2乗で効く

送電線には抵抗 R があり、流れる電流 I で熱として逃げる損失は

送電損失 = I² × R

電流の2乗 で効いてくるのがポイント。電圧を上げて同じ電力を送れば電流が下がり、損失は2乗の比率で激減します。「高圧送電」は単なる慣習ではなく、ロス対策の数学的な必然なのです。

🃏 暗記シート
Q. なぜ送電は高圧で行うのか?

変圧器の構造:鉄心に2つのコイルを巻くだけ

構造は驚くほどシンプル。

  • 鉄心(コア) … 磁束の通り道
  • 1次コイル … 入力側
  • 2次コイル … 出力側
  • あとは絶縁材と冷却装置

ここで重要な気づきがひとつ。1次側と2次側は、電気回路としては繋がっていません。繋いでいるのは「磁束」だけ。この事実が次の原理パートで効いてきます。

鉄心の形:内鉄形と外鉄形

  • 内鉄形:鉄心が内側、コイルが外から覆う
  • 外鉄形:鉄心が外側、コイルを抱え込む

試験で深く問われる頻度は低いので、「2タイプある」と押さえれば十分です。

冷却方式:油入式と乾式 × 自冷・風冷・水冷

熱対策は分類マップで整理します。

大分類細分類冷やし方
油入式(最も一般的)自冷 / 風冷 / 水冷油に浸して放熱
乾式(モールド)自冷 / 風冷 / 水冷樹脂で固めて空気・ガスで放熱

冷却力は 自然対流(自冷)< ファン(風冷)< 冷却水(水冷) の順で強くなります。ここも頻出ではないので、全体像だけ頭に置いておけば大丈夫です。

電圧変換の原理:アンペール → ファラデーの2ステップ

ここが本丸。変圧器の中で起きていることを2段階に分解します。

ステップ①:1次コイル → 磁束を作る(アンペールの法則)

1次コイルに交流電圧を加えると、鉄心の中に 磁束 が発生します。これは理論科目で学ぶ アンペールの法則 そのもの。「コイルに電流を流すと磁束ができる」を、ここで再利用しているだけです。

ステップ②:磁束 → 2次コイルに電圧を誘導(ファラデーの法則)

鉄心を通った磁束は、2次コイルと交わります。この 「磁束がコイルと交わること」を試験頻出用語で「鎖交(さこう)」 と言います。鎖で交わる、と書きます。

鎖交する磁束が時間とともに変化すると、2次コイルに 誘導起電力 が生まれる。これが ファラデーの法則、いわゆる電磁誘導作用です。

アンペールで磁束を作り、ファラデーで電圧に戻す。 まさに 「電気のバトン」 が1次側から2次側へ渡されるイメージです。

電気的には絶縁されているのに電気が伝わる秘密は、この磁束のバトンタッチにあったわけです。

🃏 暗記シート
Q. 変圧器の電圧変換、2ステップは?
💡 アンペール → ファラデー

計算問題の要:電圧比=巻数比

ここまで理解できれば、計算公式は一行で済みます。

V₁ / V₂ = N₁ / N₂

電圧の比は、コイルの巻数の比に等しい。これだけ。

たとえば、

  • N₁ = 1,000 巻、V₁ = 1,000 V のとき
  • N₂ を 100 巻に減らせば → V₂ = 100 V

巻き数を変えるだけで、電圧が自由自在に操れる。街中で見かける大きな変電所も、原理はこのシンプルな比例関係に集約されます。

🃏 暗記シート
Q. 電圧比と巻数比の関係式は?

まとめ

  • 役割:送電は高圧でロス削減、利用は低圧で安全 → 電圧を自在に変える装置
  • 構造:鉄心 + 2つのコイル。内鉄形・外鉄形に分類
  • 冷却方式:油入式 / 乾式 × 自冷・風冷・水冷
  • 原理:アンペールの法則で磁束発生 → ファラデーの法則で2次コイルに誘導
  • 計算V₁ / V₂ = N₁ / N₂(電圧比=巻数比)

暗記フレーズ:変圧器 = 電圧を変える装置、原理は 電磁誘導

「電気のバトン」のイメージを頭に焼き付ければ、機械科目の変圧器分野はもう怖くありません。

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