感電・誘導作用の防止を『静電さんは電界3、電磁くんは磁束200』で攻略|電技第26条・27条
電験三種「法規」の感電・誘導作用の防止を攻略。電技第26条(触れる危険)と第27条(近づくだけの危険)の違い、静電誘導は地表上1mで電界強度3kV/m以下、電磁誘導は磁束密度200μT以下という頻出数値を、単位での見分け方と語呂でスッキリ整理する解説記事です。
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この記事で身につくこと
「3kV/mと200μT、どっちが静電でどっちが電磁だったっけ?」
法規のこの単元は、覚える数字がたった2つです。それなのに、本番でふと自信がなくなる。そんな経験がある方は多いと思います。
原因は暗記量ではありません。「なぜその数字が、その単位なのか」がつながっていないだけです。
| 身につくこと | ポイント |
|---|---|
| 第26条と第27条の違い | 26条は「触れる」危険、27条は「近づくだけ」の危険 |
| 静電誘導の数値 | 地表上1mで電界強度 3kV/m以下 |
| 電磁誘導の数値 | 磁束密度 200μT以下 |
| 数字を取り違えない方法 | 単位(kV/mとμT)で一発区別 |
苦手な単元ほど、軸が1本入ると急に簡単になります。一緒に整理していきましょう。
暗記フレーズ:静電さんは電界3(サン)、電磁くんは磁束200(ニヒャク)
静電さんは電界3(サン)、電磁くんは磁束200(ニヒャク)
この一文に、試験で問われる数値と単位がまるごと入っています。
| キャラ | 見る量 | 基準値 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 静電さん(静電誘導) | 電界強度 | 3以下 | kV/m |
| 電磁くん(電磁誘導) | 磁束密度 | 200以下 | μT |
「静電=3」「電磁=200」をセットで口に出して覚えるのがコツです。片方だけ覚えると、本番でひっくり返りやすくなります。
ステップ1:電技第26条は「触れる」危険を防ぐ

まずは第26条です。テーマは他人の電線などに、作業者が物理的に触れてしまう感電の防止です。
| 禁止されていること | イメージ |
|---|---|
| 支持物を、他人の架空電線路などの電線の間に貫通させる | 他人の電線の間を、自分の電柱が突き抜ける |
| 架空電線を、他人の架空電線路などの支持物を挟んで張る | 他人の電柱を、自分の電線がサンドイッチする |
こうした配置だと、電柱に登って作業する人が、すぐ横にある「別の会社の電線」にうっかり触れてしまいます。
ただし、同じ支持物に施設する場合や、その他人の承諾を受けた場合は例外とされています。
電線の「電圧の区分」があいまいな方は、先に電技その1:電圧の種別と最大使用電圧『ナナロク!直流750・交流600』で感電火災を防ぐ第一歩を読んでおくと、特別高圧という言葉がスッと入ります。
ステップ2:電技第27条は「近づくだけ」の危険を防ぐ

第27条は、触れていないのに起きる感電の話です。
特別高圧の電線は電圧が非常に高いため、周りの空間に強い電界や磁界をつくります。その影響で、近くにいる人や、近くを通る通信線に電気的な影響が出てしまうのです。
| 項 | 対象 | 防ぐもの |
|---|---|---|
| 第1項 | 特別高圧架空電線路 | 静電誘導作用による、人の感知 |
| 第2項 | 特別高圧架空電線路 | 電磁誘導作用で、弱電流電線路を通じて人体に及ぶ危害 |
| 第3項 | 電力保安通信設備 | 静電誘導・電磁誘導作用による、人体への危害 |
第26条との違いは、次の一言に尽きます。
26条は「触れる」危険、27条は「近づくだけ」の危険
ステップ3:静電誘導は「地表上1mで3kV/m以下」

第27条第1項が、この単元の主役のひとつです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 特別高圧の架空電線路 |
| 状態 | 通常の使用状態 |
| 目的 | 静電誘導作用により、人が感知するおそれがないようにする |
| 測る場所 | 地表上1m |
| 基準 | 電界強度 3kV/m以下 |
| 例外 | 田畑・山林など人の往来が少ない場所で、人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合 |
「地表上1m」は、人が立ったときに体が受ける電界をイメージすると覚えやすいです。数字は「3」と「1m」の2つを必ずセットにしてください。
ステップ4:電磁誘導は「弱電流電線路」を通じて人に届く

第27条第2項・第3項は、電磁誘導の話です。
特別高圧の電線に大きな電流が流れると、周りに磁界ができます。その近くを電話線などの弱電流電線路が並んで走っていると、そこに電圧が誘起されます。その線に触れた人が危ない、という流れです。
| 項 | 守られる経路 | ポイント |
|---|---|---|
| 第2項 | 弱電流電線路 | 電力保安通信設備は除く |
| 第3項 | 電力保安通信設備 | 静電・電磁の両方の誘導作用を対象にする |
第2項で「電力保安通信設備を除く」とされ、それを第3項で別に扱っている、という構造です。条文の読み比べで狙われやすいので、表の形で頭に入れておきましょう。
ステップ5:磁束密度200μTは「人の健康」を守る数字

もうひとつの数字、200μTは第27条の2に出てきます。こちらは感電というより、人の健康への影響を防ぐための規定です。
| 項 | 対象 | 基準 |
|---|---|---|
| 第1項 | 変圧器・開閉器などの電気機械器具や電線路(発電所・変電所・開閉所・需要場所以外に施設するもの) | 磁束密度の平均値 200μT以下(商用周波数) |
| 第2項 | 変電所・開閉所 | 磁束密度の平均値 200μT以下(商用周波数) |
測るのは「人によって占められる空間に相当する空間」の平均値です。第27条と同じく、田畑・山林など人の往来が少ない場所で、危害のおそれがないように施設する場合の例外があります。
ステップ6:単位を見れば一発で区別できる

3kV/mと200μTを取り違える人は、数字だけを覚えようとしています。実は単位が答えを教えてくれます。
| 現象 | 原因 | 見る量 | 単位 | 基準値 |
|---|---|---|---|---|
| 静電誘導 | 電圧がつくる電界 | 電界強度 | kV/m | 3 |
| 電磁誘導 | 電流がつくる磁界 | 磁束密度 | μT | 200 |
「T(テスラ)」は磁束密度の単位です。つまりμTが付いていたら電磁誘導、V/mが付いていたら静電誘導。これさえ押さえれば、選択肢の入れ替えにも引っかかりません。
ステップ7:現場ではこんなことが起きている

試験には出ませんが、イメージを持つと記憶に残ります。
| 現場の話 | 関係する誘導作用 |
|---|---|
| 特別高圧線の直下では、電界の影響で車のボディが帯電し、静電気を感じることがある | 静電誘導 |
| 電力会社は、電線のねん架(ねじり配置)や遮へい線の設置で電磁誘導障害を抑える | 電磁誘導 |
「車がピリッとする」のが静電、「通信線に影響が出る」のが電磁。身近な場面と結びつけておくと、本番で迷ったときの手がかりになります。
感電防止の規定をもっと広く押さえたい方は、感電・火災等の防止を『架空は絶縁、地中はケーブル、低圧は2000分の1』で攻略|電技第20〜22条とあわせて読むと、第20条から第27条の2までが一本の流れでつながります。
まとめ
| 条文 | テーマ | 覚えること |
|---|---|---|
| 第26条 | 触れる危険 | 貫通・挟むの禁止(同一支持物・承諾ありは例外) |
| 第27条第1項 | 静電誘導 | 地表上1mで電界強度 3kV/m以下 |
| 第27条第2項 | 電磁誘導 | 弱電流電線路を通じた危害の防止(電力保安通信設備を除く) |
| 第27条第3項 | 電力保安通信設備 | 静電・電磁の両方から人体を守る |
| 第27条の2 | 人の健康 | 磁束密度の平均値 200μT以下(商用周波数) |
静電さんは電界3(サン)、電磁くんは磁束200(ニヒャク)
数字は2つ、区別の決め手は単位。ここまで来れば、この単元はもう得点源です。
⚠ ここを間違える人が多い
1. 数字と単位のペアを入れ替えてしまう
❌ 「静電誘導は200μT以下、電磁誘導は3kV/m以下」と覚えている
✅ 静電誘導は電界強度3kV/m以下、電磁誘導は磁束密度200μT以下です。
電界の単位はV/m、磁束密度の単位はT(テスラ)。単位と現象の組み合わせは物理的に決まっているので、単位から逆算すれば入れ替えは起きません。数字だけで覚えるのをやめるのが一番の対策です。
2. 第26条と第27条をどちらも「誘導」の条文だと思い込む
❌ 「第26条も第27条も、特別高圧の誘導作用についての条文だ」
✅ 第26条は、他人の電線などに作業者が触れる危険を防ぐ条文です。誘導作用は出てきません。誘導作用を扱うのは第27条(と第27条の2)です。
条文番号を聞かれたら、「触れる=26、近づくだけ=27」と一呼吸おいて確認しましょう。
よくある質問
Q. 3kV/mの「地表上1m」は、なぜ1mなのですか?
人が地面に立ったときに、体が電界の影響を受ける高さを想定しているためと考えると分かりやすいです。試験対策としては理由よりも、「地表上1m」と「3kV/m」をセットで答えられることが大切です。高さを2mや3mに入れ替えた選択肢に注意してください。
Q. 200μTは第27条の数字ではないのですか?
200μTが出てくるのは第27条の2です。第27条は架空電線路からの誘導作用による感電の防止、第27条の2は電気機械器具や変電所・開閉所などからの電磁誘導作用による人の健康影響の防止、という違いがあります。どちらも「電磁誘導」を扱うので混ざりやすいところですが、「200μTは健康の数字」と覚えておくと区別しやすくなります。
Q. 田畑や山林の例外は、どこまで覚えればよいですか?
第27条第1項と第27条の2のどちらにも、「田畑、山林その他の人の往来が少ない場所において、人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合」は除く、という例外があります。人がほとんど来ない場所では、基準値を一律に当てはめなくてもよいという考え方です。「人の往来が少ない場所は例外」という一点を押さえておけば十分です。
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