直流発電機の誘導起電力を「回す・通す・巻き方」で丸暗記から卒業
電験三種「機械」科目の直流発電機の誘導起電力Eaの公式を解説。基礎物理のE=Blvを発電機の「寸法」と「回転」に翻訳しただけと捉え直し、「回す・通す・巻き方」の3ステップで構造的に理解。重ね巻・なみ巻の見分け方や比例関係まで、計算問題で確実に得点できる形で整理します。
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この記事で身につくこと
電験三種「機械」科目の最初の関門が、直流発電機の誘導起電力 Ea の公式。 アルファベットが大量に並ぶ長い式に圧倒されて、ここで挫折する受験生は実はかなり多いんです。
でも安心してください。あの長い公式は、基礎物理の E = Blv を発電機の寸法と回転に翻訳しただけ。構造として解剖すれば、丸暗記しなくても自力で導けます。
本記事を読み終えたら、
- Ea の公式を「回す・通す・巻き方」の3要素で説明できる
- 重ね巻となみ巻の違い(試験頻出)を一瞬で判断できる
- 簡略式 Ea = KφN から、電圧制御の方法まで言える
ようになります。
暗記フレーズ:回す・通す・巻き方で決まる誘導起電力Ea
Ea は、回す(速度)× 通す(磁束密度)× 巻き方(内部構造)の3つで決まる
これだけ覚えてしまえば、長い公式に出てくる文字の役割が一気にクリアになります。
公式の正体は E = Blv の「翻訳」だった
教科書に載っている長い公式はこちら。
Ea = (pZ / 60a) × φ × N
文字が多くて拒否反応が出そうですが、実はこの式、基礎物理でおなじみの
E = B × l × v
を、発電機の「寸法」と「回転」の言葉に置き換えただけなんです。
- B(磁束密度) → 発電機の磁束 φ と寸法で表現
- l(導体長さ) → 発電機の軸方向長さ
- v(速度) → 回転速度 N から計算
導出のロジックを知っていれば、長い式を一字一句丸暗記する必要はありません。
アクション1:「回す」── 回転速度 N を速度 v に変換
まずは E = Blv の v から。
回転速度 N は [min⁻¹]、つまり1分間の回転数です。これを「秒速 v[m/s]」に変換します。
- 1回転の距離 = 円周 πD
- 1分間の移動距離 = πDN
- 1秒間の移動距離(速度 v)= πDN / 60
つまり
v = πDN / 60 [m/s]
「回転数を距離に置き換える」発想で詰まる人が多いのですが、円周 × 回転数 ÷ 60秒、と分解すれば当たり前の話です。
アクション2:「通す」── 磁束密度 B の正体
次は B(磁束密度)。
磁束密度の定義は、
B = 磁束 ÷ 面積
直流発電機では、
- 全磁束 = 極数 p × 1極あたりの磁束 φ = pφ
- 面積 = 円柱の側面積 = πDl
よって、
B = pφ / (πDl)
これで E = Blv の B と v が、発電機の言葉に翻訳できました。「面積あたりの磁束の量」が大事、という本来の定義にもしっかり戻っています。
アクション3:「巻き方」── pZ / 60a が表すもの
最後は公式の pZ / 60a の部分。これが内部の導体の巻き方を表します。
- Z:全導体数
- a:並列回路数
- p:極数
内部の導体をどう繋ぐかで、取り出せる電圧と電流のバランスが変わります。 電圧を高めたいか、電流を増やしたいか で、巻き方を使い分けるわけです。
| 巻き方 | 並列回路数 a | 用途の例 |
|---|---|---|
| 重ね巻 | a = p(極数と同じ) | メッキ装置、低電圧大電流の発電機 |
| なみ巻 | a = 2(常に2) | 小型発電機、高電圧用途 |
ここで9割が間違える:なみ巻は a = 2 で固定!
試験で ここを落とす人が本当に多い のが、なみ巻のルール。
問題文に「なみ巻」とあったら、極数 p に関係なく強制的に a = 2 を代入する
重ね巻のクセで「a = p」と書きたくなりますが、なみ巻は 常に a = 2。 4極だろうと6極だろうと、なみ巻なら a = 2。これは丸暗記でOKです。
機械が完成したら p, Z, a は変わらない → 定数 K にまとめる
ここまで「回す・通す・巻き方」を分解してきましたが、よく見ると p(極数)・Z(全導体数)・a(並列回路数)は機械の設計で決まるもの。一度組み立てたら変わりません。
なら、まとめて定数 K と置いてしまいましょう。
Ea = K φ N
たったこれだけ。 電験本番で使うのは、ほぼこのシンプルな式です。
この式から読み取れるのは、
- 電圧 Ea を上げたければ、磁束 φ か回転数 N を増やす
- Ea は φ にも N にも比例する
つまり、発電機の電圧コントロールは 「磁束 or 回転数」の二択 だとわかります。
まとめ:試験直前マスター設計図
| ステップ | 物理現象 | 式 |
|---|---|---|
| ① 回す | 回転速度 N → 周速度 v | v = πDN/60 |
| ② 通す | 磁束密度 B | B = pφ/(πDl) |
| ③ 巻き方 | 構造定数 K | K = pZ/60a |
| 総合 | 誘導起電力 Ea | Ea = KφN |
- 公式は E = Blv を発電機の寸法と回転に翻訳しただけ
- 「回す・通す・巻き方」 の3ステップで自力で導ける
- 試験頻出:重ね巻 a = p / なみ巻 a = 2(固定)
- 機械が完成すれば Ea = KφN、電圧制御は φ か N の二択
暗記フレーズ:回す・通す・巻き方で決まる誘導起電力Ea
このフレーズと Ea = KφN がスッと出てくれば、直流機の計算問題はもう怖くありません。
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