変圧器の負荷分担は『相手の%インピーダンス』で一瞬攻略
電験三種「機械」科目で頻出の変圧器並列運転と負荷分担を、魔法のフレーズ『相手の%インピーダンス』と水道管イメージで完全攻略。基準容量換算→分担電流→負荷分担の3ステップ公式を、ひっかけポイントごと整理した記事です。
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この記事で身につくこと
電験三種「機械」科目で安定して出題される 変圧器の並列運転と負荷分担。 公式が4つも並ぶうえに「分子は自分?相手?」「掛けるんだっけ割るんだっけ?」と、本番で頭が真っ白になる典型分野です。
本記事を読み終えたら、
- 基準容量への換算式が即座に立てられる
- 分担電流・負荷分担の分子に 何を置くか迷わなくなる
- %インピーダンスの大小から どちらの変圧器が多く働くか が一瞬で判断できる
ようになります。
暗記フレーズ:%Zは容量で換算、分担は『相手の%Z』で決まる
%インピーダンスは容量で換算、分担は『相手の%インピーダンス』で決まる
これだけ。並列運転で出てくる公式は見た目が似ていて混乱しがちですが、本質は 「%インピーダンス勝負、小さい方がたくさん働く」 という一言に集約されます。 迷ったらこのフレーズに戻る、それだけで失点が止まります。
9割が挫折する3つの罠
並列運転の公式は、形が似た式が4つ並ぶうえに、引っかけポイントが集中しています。受験生がつまずく罠は次の3つです。
- 罠①:基準容量への換算式は「掛ける」のか「割る」のか?
- 罠②:分担の式の分子は「自分」か「相手」か?
- 罠③:電流と負荷(kW)で式が違うのか?
答えを先に書いてしまうと、
- 罠①:容量比を掛けるだけ
- 罠②:分子は必ず 相手の%インピーダンス
- 罠③:電流も負荷も 全く同じ比率
この3つさえ押さえれば、並列運転は確実な得点源になります。
Step1:基準容量換算は『容量比を掛けるだけ』
並列運転の前提は、全ての変圧器を同じ基準容量にそろえて比較する こと。自己容量がバラバラのままだと、%インピーダンスの大小比較に意味がありません。
換算式はシンプルで、
%Z' = %Z ×(基準容量 ÷ 自己容量)
ダッシュ「’」は「換算済み」を忘れないための印です。 容量が5倍になれば%インピーダンスも5倍、というように 容量比をそのまま掛ける だけ。
鉄則:並列運転では 同じ基準容量にそろえてから %Zを比較する。
容量と%インピーダンスは『シーソーの関係』
換算後の%Zの大小は、変圧器の容量と次の関係になります。
| 自己容量 | 換算後の%Z’ |
|---|---|
| 大きい | 小さくなる |
| 小さい | 大きくなる |
容量が大きい変圧器ほど、換算後の%インピーダンスは小さくなる シーソーの関係。次のステップで使うのでイメージを焼き付けておきます。
水道管モデル:%インピーダンスが小さい方がたくさん働く
ここで本記事の核となる 水道管イメージ です。
並列運転の2台の変圧器を、2本の水道管に置き換えて考えます。
| 管 | %インピーダンス | 管の太さ | 流れる水(電流) |
|---|---|---|---|
| 上の管 | 小さい | 太い | じゃぶじゃぶ多い |
| 下の管 | 大きい | 細い | ちょろちょろ少ない |
電流は抵抗(インピーダンス)に反比例して流れる、というオームの法則の世界。要するに、
%インピーダンスが小さい方=太い水道管=たくさん働く
たったこれだけ。「健気で頑張る方は%Zが小さい子」と覚えれば、もう忘れません。
Step2:分担電流の式は『分子に相手の%Z』
水道管イメージを式にしたものが、分担電流の公式です。変圧器1が担当する電流 I₁ は、
I₁ = I ×(%Z₂' /(%Z₁' + %Z₂'))
ポイントは、自分(I₁)の式なのに、分子は相手(%Z₂’) という点。逆も同じで、I₂ の分子は %Z₁’ になります。
なぜ「相手」が分子に来るのか? それは、
電流は %インピーダンス(抵抗)に 反比例 して流れる
から。相手のインピーダンスが大きければ、相手側には流れにくく、その分こちら側に多く流れる。だから自分の式の分子に「相手」が顔を出すのです。
強力な目印:「自分が1なら、分子は2」。これだけで分母分子で迷わなくなります。
Step3:負荷分担(kW)も同じ比率
ここで嬉しいのは、負荷分担 P の式も、電流 I の式と全く同じ形 だということ。
P₁ = P ×(%Z₂' /(%Z₁' + %Z₂'))
新しい公式を覚える必要はゼロ。分子はいつも相手の%インピーダンス、ただそれだけ。
電流の式を1つ覚えれば、負荷分担にもそっくりそのまま使い回せます。3つの式(基準容量換算・分担電流・負荷分担)が、実は 1つのルールで貫かれている のが見えてきます。
力試し:基準容量換算と負荷分担
Q1:基準容量換算
自己容量100kVA、%インピーダンスが3%の変圧器を、基準容量500kVAに換算すると%Z’はいくつ?
容量比は 500 ÷ 100 = 5。容量比をそのまま掛けるだけなので、
%Z' = 3% ×(500 ÷ 100)= 15%
容量が5倍 → %インピーダンスも5倍。シーソーで覚えた通り、容量が増えると換算後の%Zは大きくなります(同じ変圧器を大きな基準で見直すと、相対的に重く見える、というイメージ)。
Q2:どちらが多く働く?
換算後の%Zが「小さい変圧器」と「大きい変圧器」、より多く負荷を担当するのはどちら?
水道管モデルで瞬殺。%インピーダンスが小さい=太い管 → 水(電流)が流れやすい → 多く負荷を担当する。
答えは %インピーダンスが小さい方の変圧器。
まとめ
- 並列運転は %インピーダンス勝負、小さい方がたくさん働く(=太い水道管)
- まず 基準容量にそろえる:%Z’ = %Z ×(基準容量 ÷ 自己容量)
- 分担電流も負荷分担も、分子は『相手の%インピーダンス』
- 容量と換算後の%Zは シーソーの関係:容量大なら%Z’は小
- 公式は形がそっくり。覚えるルールは たった1つ:「分子は相手」
暗記フレーズ:%インピーダンスは容量で換算、分担は『相手の%インピーダンス』で決まる
このフレーズと水道管イメージさえ持っていれば、変圧器の並列運転は本番で迷いません。
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