接地の全体像!『A・B・C・D種』の抵抗値と太さを丸ごと攻略
電験三種「法規」の接地工事は、A種・B種・C種・D種の4種類。抵抗値と軟銅線の太さが種類ごとにバラバラで覚えにくい……そんな苦手意識を、たった1つの暗記フレーズで簡単に攻略します。B種の計算式(150・300・600)の覚え方、C種とD種の見分け方まで、独学者がつまずくポイントを丁寧に整理した解説記事です。
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「接地工事、A種とかB種とか出てくるけど、数字が全部ごちゃ混ぜになって覚えられない……」
法規の勉強で、そう感じて手が止まってしまった方も多いのではないでしょうか。10Ωだったか100Ωだったか、太さは2.6mmだったか1.6mmだったか——似た数字が並ぶせいで、覚えては忘れ、忘れては覚え直しの繰り返し。とても苦手意識を持ちやすい単元です。
でも、安心してください。接地工事は覚えるべき数字こそ多く見えますが、「A種が一番厳しくて、D種が一番ゆるい」という順番さえ体に入れば、驚くほどスッキリ整理できます。この記事を読み終えるころには、4種類の接地がひとつの表として頭に浮かぶようになっているはずです。
この記事で身につくこと
- A・B・C・D種、4種類の接地工事の抵抗値と軟銅線の太さを一枚の表で覚えられる
- 多くの人がつまずく B種の計算式(150・300・600 の使い分け) を、迷わず選べるようになる
- 試験で狙われやすい C種とD種の見分け方 が電圧レンジでハッキリ区別できる
- 「なぜB種の接地線だけ太いのか」といった、理由から納得できる知識が手に入る
暗記フレーズ:「A種10Ω・2.6mm、B種は計算値・4mm、C種10Ω(500Ω)・1.6mm、D種100Ω(500Ω)・1.6mm」
まずは全体像を、この一行に凝縮しました。
A種10Ω・2.6mm、B種は計算値・4mm、C種10Ω(500Ω)・1.6mm、D種100Ω(500Ω)・1.6mm
いきなり全部覚えようとしなくて大丈夫です。この記事では、この長いフレーズを 「抵抗値」→「太さ」→「B種の計算式」→「C種とD種の区別」 の順に、少しずつ分解していきます。1ステップずつ進めば、必ず最後にはこの一行が自分のものになります。
ステップ1:まず一枚の表で全体をつかむ
細かい話に入る前に、まず「地図」を頭に置きましょう。接地工事はこの4種類だけです。
| 種類 | 接地抵抗値 | 軟銅線の太さ | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| A種 | 10Ω 以下 | 直径 2.6mm 以上 | 高圧・特別高圧の機器の外箱など(最も危険=最も厳しい) |
| B種 | 計算値(150/300/600 ÷ Ig) | 直径 4mm 以上(15000V超)/2.6mm 以上(15000V以下) | 変圧器の高圧側と低圧側の混触防止 |
| C種 | 10Ω 以下(500Ω 以下) | 直径 1.6mm 以上 | 300V を超える低圧機器の外箱など |
| D種 | 100Ω 以下(500Ω 以下) | 直径 1.6mm 以上 | 300V 以下の低圧機器の外箱など |
ポイントは、アルファベット順に種類は増えていくけれど、「厳しさ」はA種が最上級ということ。A種は10Ω以下という一番きびしい基準で、扱う電圧が高く危険だからこそ、しっかり大地に逃がす必要があるのです。逆にD種は100Ω以下で一番ゆるい。日常的な低圧機器に使われます。
「A(先頭)=一番きびしい、D(最後)=一番やさしい」——この感覚だけ、まず持ち帰ってください。
ステップ2:軟銅線の太さは「B種だけ別格」で覚える
太さの数字は、実はほとんど2種類しかありません。
覚え方はシンプルです。C種・D種は1.6mm、A種は2.6mm、そしてB種だけが4mmと飛び抜けて太い(ただし正確には、B種の太さは電圧で2段階に分かれます。15000Vを超えるときは4mm以上、15000V以下のときは2.6mm以上。試験で頻出なのは前者なので、まずは「B種=4mm」で覚えてしまってOKです)。
なぜB種だけ太いのか? B種は変圧器の高圧側と低圧側が触れてしまう「混触」に備える接地で、事故時には大きな電流が流れても断線しては困るからです。だから太い電線が要求される。変電所や受変電設備で、太い緑色の接地線が引かれているのを見たことがあるかもしれませんが、あれがまさにB種の接地線です。
「太さは 1.6 → 2.6 → 4、B種だけ別格に太い」。理由とセットで覚えれば、もう迷いません。
ステップ3:B種の計算式「150・300・600」を順番で覚える
多くの人が最後まで苦戦するのが、このB種の計算式です。でも、判定基準はたった1つ、**「遮断装置の動作時間」**だけなので、順番で覚えればクリアできます。
B種の接地抵抗値は、変圧器の高圧側・特別高圧側の電路の1線地絡電流 を使って、次の3パターンで決まります。
コツは、分子を「150 → 300 → 600」と小さい順に並べ、上から「0.5秒以内・1秒以内・それ以外」と対応させること。
考え方の芯を押さえると忘れません。地絡事故を速く遮断できるほど安全なので、その分だけ抵抗値を大きく許してもらえる——つまり分子が小さくてもよい、と直感的に納得できます。速い=小さい数字、と結びつけてください。
| 遮断装置の動作時間 | 接地抵抗値 |
|---|---|
| 0.5秒以内 | 150 ÷ Ig |
| 1秒以内 | 300 ÷ Ig |
| それ以外(1秒超え) | 600 ÷ Ig |
ステップ4:C種とD種は「300Vの壁」で見分ける
試験で意外と狙われるのが、C種とD種の区別です。抵抗値(C種10Ω・D種100Ω)はステップ1で覚えた通り。ここではどちらを使うかの見分け方を固めます。
境目は300V、この一点だけです。
- C種:使用電圧が 300V を超える 低圧機器の金属製外箱など
- D種:使用電圧が 300V 以下 の低圧機器の金属製外箱など
「電圧が高い(300V超)=より危険=厳しいC種(10Ω)、電圧が低い(300V以下)=ゆるいD種(100Ω)」と、電圧の高さと厳しさをセットで結びつけると混同しません。
そしてどちらにも共通する救済ルールがあります。0.5秒以内に電路を自動遮断できる装置があれば、C種・D種ともに500Ω以下でOK。事故をすぐ切れるなら、抵抗値の条件をゆるめてよい——これはB種と同じ発想ですね。
ステップ5:現場の知識で理解を仕上げる(省略できる条件)
最後に、実務ともつながる知識をひとつ。接地工事には、省略できる条件が電技解釈で定められています。たとえば、乾燥した場所で対地電圧150V以下の機器を扱う場合など、一定の条件下では接地を省略できます。
現場では「この機器は接地を省略していいのか?」という判断が実際に問われますが、試験でも「どんなときに省略できるか」が問われることがあります。基本はしっかり接地する、例外的に安全が確保できる場合だけ省略できる、という順序で理解しておけば十分です。まずは4種類の抵抗値と太さを固めることが最優先。省略条件は、そのうえで「おまけ」として押さえておきましょう。
まとめ
お疲れさまでした。ごちゃ混ぜだった接地の数字が、だいぶ整理できたのではないでしょうか。最後に要点を振り返ります。
- A種=10Ω・2.6mm:先頭のAが一番きびしい。高圧・特別高圧に使う。
- B種=計算値・4mm(15000V超の場合。15000V以下は2.6mm):1線地絡電流 Ig で決まる。分子は動作時間の順に 0.5秒→150/1秒→300/それ以外→600。混触対策なので接地線は別格に太い。
- C種=10Ω(500Ω)・1.6mm/D種=100Ω(500Ω)・1.6mm:300Vの壁で見分ける。0.5秒以内遮断なら両方500Ωに緩和。
接地工事は、数字の多さに圧倒されがちですが、「A種が最上級・D種が最ゆるい」という順番と、「速く切れるほど条件がゆるむ」という共通ルールの2つを軸にすれば、丸暗記ではなく「理解」で解けるようになります。この記事の暗記フレーズを何度か口に出して、ぜひ自分のものにしてください。あなたなら、必ずこの単元を得点源にできます。
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