三相変圧器の結線(Y-Y・Y-Δ・Δ-Y・Δ-Δ)を4行の表で丸暗記
電験三種「電力」科目で苦手な人が多い三相変圧器の結線方法(Y-Y・Y-Δ・Δ-Y・Δ-Δ)を、丸暗記ではなく『中性点・第3高調波・位相差』の3つの軸で整理して解説。4種の特徴を4行の比較表にまとめ、頻出の比較問題で確実に得点するための1記事です。
🎥 動画でも解説しています > YouTubeで開く
「Y-YとかY-Δとか、4つも出てきて頭がこんがらがる……」——電力科目の中でも、この三相変圧器の結線は「なんとなく苦手」で止まってしまう方がとても多い分野です。
でも安心してください。この4種類、実はバラバラに丸暗記する必要はまったくありません。「中性点」「第3高調波」「位相差」という3つのモノサシで見れば、すべて一本の線でつながります。この記事を読み終わるころには、4種の結線がたった1枚の表でスッと頭に入っているはずです。一緒に攻略していきましょう。
この記事で身につくこと
- 三相変圧器の結線が Y-Y・Y-Δ・Δ-Y・Δ-Δの4種類であることと、その覚え方
- Y結線とΔ結線の「そもそもの違い」(中性点があるか/第3高調波を抑えられるか)
- 4種の特徴を整理した比較表と、頻出の比較問題での使い方
- 「なぜ結線の違う変圧器は並べてはいけないのか」(30°の位相差)
- 実務で Y-Δが変電所の定番・Δ-Δが工場向きとされる理由
暗記フレーズ:「Yは中性点あり・Δは高調波なし・Y-Δは変電所の主役」
まずはこの1フレーズを丸ごと覚えてください。三相変圧器の結線問題の8割は、ここに答えが詰まっています。
- Yは中性点あり … Y結線は3本の巻線の共通点(=中性点)があるので接地できる
- Δは高調波なし … Δ結線は第3高調波を輪の中で循環させ、外に出さない
- Y-Δは変電所の主役 … 一次Y(接地OK)+二次Δ(高調波抑制)のいいとこ取りで、系統の定番
この3つさえ握っておけば、あとは「YとΔの組み合わせ」を考えるだけ。順番に見ていきましょう。
ステップ1:結線は「YとΔの掛け算」で4種類
三相変圧器は、一次側と二次側それぞれに「Y結線」か「Δ結線」かを選びます。つまり 2×2=4通り。これが結線の全パターンです。
| 結線 | 一次側 | 二次側 |
|---|---|---|
| Y-Y | Y | Y |
| Y-Δ | Y | Δ |
| Δ-Y | Δ | Y |
| Δ-Δ | Δ | Δ |
「4種類もある」と身構えると難しく感じますが、正体はYとΔの組み合わせだけ。新しく覚えるモノは、実質「Y」と「Δ」の2つしかないんです。ここが第一のヤマを越えるポイントです。
ステップ2:Y結線とΔ結線の「そもそもの違い」
4種を理解する前に、材料である Y結線とΔ結線の違いを押さえます。ここが分かれば、あとは組み合わせるだけです。
Y結線(スター結線) は、3本の巻線を1点で共通に結んだ形。その共通点を中性点と呼び、ここを接地できます。地絡(漏電)が起きたときに異常な電圧を抑え、保護装置を働かせやすい——これがY結線の最大の武器です。
Δ結線(デルタ結線) は、3本の巻線を三角形の輪につないだ形。中性点はありませんが、その代わり第3高調波というやっかいなひずみ電流を、輪の中でぐるぐる循環させて系統の外に漏らしません。
| 見る軸 | Y結線 | Δ結線 |
|---|---|---|
| 中性点(接地) | あり ○ | なし ✕ |
| 第3高調波の抑制 | 苦手(外へ漏れる) | 得意(輪で循環)○ |
つまり Y=中性点担当、Δ=高調波担当。役割が正反対なので、この2つを組み合わせると「両方の長所」を持たせられる、というのが次のステップの伏線になります。
ステップ3:4種の特徴を1枚の表に整理する
材料がそろったので、いよいよ4種の結線を比較します。この表がこの記事の心臓部です。ここだけでも印刷して手元に置いてください。
| 結線 | 中性点接地 | 第3高調波 | 主な用途・特徴 |
|---|---|---|---|
| Y-Y | 両側でOK | 抑制できない(漏れる) | 中性点は取れるが高調波に弱く、単独では使いにくい |
| Y-Δ | 一次側で可 | Δ側で抑制 | 変電所の定番(降圧向き)。異容量並行運転は✕ |
| Δ-Y | 二次側で可 | Δ側で抑制 | 昇圧向き。中性点は片側(二次Y)のみ |
| Δ-Δ | なし | Δ側で抑制 | 中性点なし。1台故障してもV結線で継続でき工場向き |
読み解き方はシンプルです。Yが入っている側は中性点が取れる/Δが入っていれば高調波を抑えられる。この2軸で表を眺めると、丸暗記ではなく「なるほど」で埋まっていくはずです。
- Y-Y:Yしかないので高調波を抑える相手がおらず、単独ではあまり使われません
- Y-Δ:一次Yで接地でき、二次Δで高調波を抑える——短所が互いに消え合う優等生
- Δ-Y:Y-Δの逆で、低い電圧を高くする昇圧用途に向きます
- Δ-Δ:中性点は取れませんが、2台のV結線で運転を続けられる粘り強さが魅力
ステップ4:なぜ「結線の違う変圧器」は並べてはいけない?(30°の位相差)
最後に、少しだけ踏み込んだ頻出ポイントです。YとΔを組み合わせると、一次と二次で電圧に30°の位相差が生まれます。時計でいえば1時間分、電圧の波が横にずれるイメージです。
この位相差そのものは問題ありません。困るのは、位相のずれ方が違う変圧器どうしを並べて同時に使う(異容量並行運転する)ときです。波の位置が合っていない同士をつなぐと、その差を埋めようとして循環電流という無駄な電流が流れ、機器を傷めてしまいます。
だから Y-Δ(30°ずれる)とΔ-Δ(ずれない)を並べて運転することはできない、と覚えます。ここは「なぜ?」まで問われやすいので、フレーズだけでなく**理由(循環電流が流れて危険)**もセットで押さえておくと得点源になります。
まとめ
三相変圧器の結線、いかがでしたか。最初は4種類のアルファベットに圧倒されたかもしれませんが、正体は**「YとΔの掛け算」+「中性点・第3高調波・位相差の3つのモノサシ」**だけでした。
- 結線は Y-Y・Y-Δ・Δ-Y・Δ-Δの4種(YとΔの組み合わせ)
- Yは中性点あり(接地担当)、Δは高調波なし(第3高調波を輪で循環させ抑制)
- Y-Δは変電所の定番(接地+高調波抑制のいいとこ取り)、Δ-Δは工場向き(V結線で継続運転)
- YとΔの組で 30°の位相差が生じ、結線の違う変圧器の並行運転は循環電流で✕
「苦手」だったこの分野も、ステップ3の比較表1枚に立ち返れば、本番でもう迷いません。表の各マスを「Yだから中性点/Δだから高調波」と自分の言葉で説明できれば、もう完全に自分のものです。焦らず、フレーズと表を何度か声に出して、着実に得点につなげていきましょう。あなたの一歩は、確実に前に進んでいます。
Webの何倍も覚えやすい
紙のフルラミネート加工の
暗記シートがあります
実績2,000部突破。
お風呂や電車のスキマ時間でサクッと勉強できます。
付属の練習用紙で無限に練習できます♪

🛒関連教材ショーケース
学習の効率を上げる、紙の本格教材ラインナップ。

この記事を読み終えたら、進捗を記録しましょう




