調相設備を「進み・遅れの使い分け」で攻略|コンデンサ・リアクトル・SVC・同期調相機
電験三種「電力」科目で頻出の調相設備を、丸暗記ではなく『無効電力を出し入れして力率を整える係』として直感的に整理。電力用コンデンサ=進み、分路リアクトル=遅れ、SVC・同期調相機=両刀、という一本のスジで4つの装置を一気に覚え、選択肢問題で確実に得点するための1記事です。
🎥 動画でも解説しています > YouTubeで開く
「調相設備、名前からしてイカつくて苦手…」——大丈夫です。ここは装置が4つ出てくるだけで、やっていることは実はたった一つ。「無効電力を出したり吸ったりして、力率を整える」——これだけなんです。
しかも4つの装置は、「進み担当・遅れ担当・両方できる担当」という一本のスジで並べると、驚くほどスッキリ覚えられます。この記事を読み終わるころには、選択肢問題で「これは進みだから…」と迷わず指を置けるようになります。一緒に整理していきましょう。
この記事で身につくこと
- 調相設備が「何のためにあるのか」を一言で説明できるようになる
- 電力用コンデンサ=進み/分路リアクトル=遅れの使い分けが腹落ちする
- 混乱しやすい「進み無効電力を”消費”するとどうなるの?」がスッキリ理解できる
- SVCと同期調相機の違い(静止型か回転機か)を言えるようになる
- 暗記フレーズ一発で、4つの装置を試験本番まで持っていける
暗記フレーズ:「コンデンサ進み、リアクトル遅れ、SVC・同期は両刀」
まずはこの一行を、声に出して覚えてしまってください。細かい理屈はこのあと説明しますが、最後に残るのはこのフレーズ1本です。
ステップ1:そもそも調相設備は「何のため」にあるの?
送電線には、モーターや変圧器のような機器がたくさんつながっています。これらは電気を使うだけでなく、磁界をつくるための”見かけだけの電力”も系統からもらっています。これが無効電力です。
電力には2種類あると考えてください。
無効電力そのものは仕事をしませんが、多すぎると電流が増えて電圧が下がったり、送電ロスが増えたりします。この無効電力を上手にコントロールして、力率をできるだけ1(100%)に近づけるのが調相設備の仕事です。
つまり調相設備は、系統に足りない無効電力を足したり、余った無効電力を吸ったりする「無効電力の調整係」。ここさえ押さえれば、残りは「進みを足す係」「遅れを足す係」の役割分担の話です。
ステップ2:電力用コンデンサ=進み(遅れ力率を補正する係)
昼間の重負荷時、モーターなどがたくさん動くと系統は遅れ力率になりがちです。この「遅れ」を打ち消すのが電力用コンデンサ。
コンデンサは、電流が電圧より進む性質を持った素子です。だから系統につなぐと進み無効電力を消費し、系統にたまった遅れ分をちょうど打ち消してくれます。
💡 ここが混乱ポイント 「進みを”消費”って、結局どっちに働くの?」と迷ったら—— 進み無効電力を消費する=系統の”遅れ”を補正する、とセットで覚えてください。重負荷で遅れ気味のときに投入する、と結びつければOKです。
| 装置 | 消費する無効電力 | いつ使う |
|---|---|---|
| 電力用コンデンサ | 進み | 重負荷時、力率が遅れ気味のとき |
ステップ3:分路リアクトル=遅れ(フェランチ現象を抑える係)
今度は逆に、深夜など軽負荷のときを考えます。使う人が少ないのに長い送電線やケーブルがつながっていると、受電端の電圧が送電端より高くなってしまう——これがフェランチ現象です。放っておくと機器に負担がかかります。
ここで登場するのが分路リアクトル。コイルは電流が電圧より遅れる性質なので、系統につなぐと遅れ無効電力を消費し、上がりすぎた電圧を押し下げてくれます。
🔧 現場の豆知識 変電所では、深夜など軽負荷になる時間帯に分路リアクトルを投入して、フェランチ現象による電圧上昇を抑える運用が実際に行われています。「軽負荷になったらリアクトル投入」とイメージで覚えておくと、応用問題でも強いです。
| 装置 | 消費する無効電力 | いつ使う |
|---|---|---|
| 分路リアクトル | 遅れ | 軽負荷時、電圧が上がりすぎる(フェランチ現象)とき |
ステップ4:SVCと同期調相機=両刀(進みも遅れも自在)
コンデンサとリアクトルは、それぞれ「進み専門」「遅れ専門」の片刀使いでした。ところが、進みも遅れも自在に調整できる欲張りな装置が2つあります。それがSVCと同期調相機。だから「両刀」です。
2つの違いは「静止型か、回転機か」の一点で見分けられます。
| 装置 | タイプ | 仕組み | 特徴 |
|---|---|---|---|
| SVC(静止形無効電力補償装置) | 静止型 | サイリスタで制御 | 高速・無段階制御、可動部なし |
| 同期調相機 | 回転機 | 無負荷の同期機の界磁電流を変える | 進み遅れ両対応だが回転機なので大きく損失あり |
💡 ここが混乱ポイント 「SVCと同期調相機、どっちがどっち?」—— SVC=StaticのS(静止・サイリスタ・高速)、同期調相機=回る機械(界磁電流で調整)、と対比で覚えると混ざりません。
🔧 現場の豆知識 SVCはサイリスタで無段階に無効電力を調整できるため、工場で大型モーターを起動するときの電圧変動を抑える用途にも活用されています。「速くて細かく効く」のがSVCの持ち味です。
ステップ5:一枚の表で「進み・遅れ」を総まとめ
最後に、4つの装置を一枚の表に並べます。縦に読めば、そのまま暗記フレーズになっています。
| 装置 | 進み | 遅れ | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 電力用コンデンサ | ○ | × | 重負荷の遅れ力率を補正 |
| 分路リアクトル | × | ○ | 軽負荷の電圧上昇(フェランチ)を抑制 |
| SVC | ○ | ○ | サイリスタ・静止型・高速・無段階 |
| 同期調相機 | ○ | ○ | 回転機・界磁電流で調整 |
上2つが片刀(コンデンサ=進み、リアクトル=遅れ)、下2つが両刀(SVC・同期調相機)。この形さえ頭に入れば、選択肢問題は落ち着いて選べます。
まとめ
- 調相設備は無効電力を制御して力率を改善する装置。役割はこの一言に尽きます。
- 電力用コンデンサ=進みを消費して、遅れ力率を補正(重負荷時)。
- 分路リアクトル=遅れを消費して、フェランチ現象による電圧上昇を抑制(軽負荷時)。
- SVC・同期調相機=両刀。SVCは静止型・サイリスタ・高速、同期調相機は回転機・界磁電流で調整。
- 覚えるのは結局この一行 →「コンデンサ進み、リアクトル遅れ、SVC・同期は両刀」。
苦手に見えた調相設備も、「無効電力の調整係が4人いて、進み担当・遅れ担当・両刀が2人」という組織図で見れば、もう怖くありません。この表とフレーズを試験本番まで持っていってください。あなたなら、必ず得点源にできます。
Webの何倍も覚えやすい
紙のフルラミネート加工の
暗記シートがあります
実績2,000部突破。
お風呂や電車のスキマ時間でサクッと勉強できます。
付属の練習用紙で無限に練習できます♪

🛒関連教材ショーケース
学習の効率を上げる、紙の本格教材ラインナップ。

この記事を読み終えたら、進捗を記録しましょう




