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法規 第41回 ⏱ 約23分で読めます

架空電線路の昇塔防止を『カク・ボウ・サク・ヤマの4人だけ』で丸ごと攻略|電技第24条・解釈第53条

電験三種「法規」の架空電線路の支持物における昇塔防止。足場金具等は地表上1.8m以上が大原則、1.8m未満にできる例外は『格納構造・昇塔防止装置・さく等・山地等』の4つだけ。試験で必ず紛れ込む『監視装置』の引っかけまで、暗記フレーズ『カク・ボウ・サク・ヤマ』で一気に整理します。

🃏 暗記フレーズ:1.8mの壁を越えられるのは“カク・ボウ・サク・ヤマ”の4人だけ。監視カメラは仲間外れ

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この記事で身につくこと

法規の中でも、この単元は「当たり」です。

理由は単純で、覚えることが数字1つと例外4つしかないからです。計算もなければ、複雑な条件分岐もありません。それなのに、実際に本試験で出題されている。こんなにコスパのいい単元は、法規の中でもそう多くありません。

にもかかわらず、ここを落とす人が毎年います。原因は決まっていて、「数字をうろ覚えにする」か「例外に紛れ込んだ偽物を見抜けない」かの、どちらかです。

この記事を読み終える頃には、次の3つがはっきり区別できるようになります。

身につくこと内容
大原則足場金具等は地表上1.8m以上に施設する
例外4つ格納構造・昇塔防止装置・さく等・山地等
引っかけ「監視装置」は例外に入らない

たったこれだけです。最後まで読めば、本試験でこのテーマが出たときに、迷わず1点を取れます。

1.8m未満の例外でつまずく理由(監視カメラの罠)

暗記フレーズ:1.8mの壁を越えられるのは“カク・ボウ・サク・ヤマ”の4人だけ

まず、この記事の核心を先に置いておきます。

1.8mの壁を越えられるのは“カク・ボウ・サク・ヤマ”(格納・防止装置・さく等・山地等)の4人だけ。監視カメラは仲間外れ!

「1.8mの壁」というのは、足場金具を付けてよい高さのラインのことです。原則としてこのラインより上にしか付けられません。ところが、4つの条件を満たしたときだけ、この壁より下に付けることが許されます。その4人が「カク・ボウ・サク・ヤマ」です。

そして5人目は、いません。試験でよく紛れ込んでくる「監視装置」は、この仲間には入れてもらえない。ここが最大のポイントです。

魔法の言葉「カク・ボウ・サク・ヤマ」

語呂として声に出してみてください。「カク・ボウ・サク・ヤマ」。四文字ずつのリズムで、通勤中でも覚えられます。

🃏 暗記シート
Q. 架空電線路の支持物の昇塔防止に関する暗記フレーズ「カク・ボウ・サク・ヤマ」は、それぞれ何を指すか

ステップ1:大原則は「地表上1.8m以上」

大原則/足場金具は地表上1.8m以上

架空電線路の支持物(電柱や鉄塔)には、保守作業のために登るための金具が付いています。これが足場金具、現場ではステップボルトと呼ばれるものです。

この足場金具、低い位置に付いていると誰でも登れてしまいます。子供が面白がって登れば、墜落もするし、上には高圧の電線が走っている。だから電気設備技術基準の解釈 第53条は、こう決めています。

架空電線路の支持物に施設する足場金具等は、地表上1.8m以上に施設すること。

なぜ1.8mなのか。大人の背丈より少し高い、手を伸ばしても掴みにくい高さだからです。2.0mではありません。ここを勘違いすると、選択肢を丸ごと外します。

🃏 暗記シート
Q. 架空電線路の支持物に施設する足場金具等は、原則として地表上何メートル以上に施設しなければならないか
💡 2.0mではない

ステップ2:例外は「4つだけ」と数を固定する

解釈第53条の例外は4つだけ

条文には続きがあります。次のいずれかに該当する場合は、1.8m未満に施設してもよい、と。

略称例外の内容
カク足場金具等が、支持物の内部に格納できる構造である場合
ボウ支持物に昇塔防止装置を施設する場合
サク支持物の周囲に、人が容易に立ち入らないようにさく、へい等を施設する場合
ヤマ山地等であって、人が容易に立ち入るおそれがない場所に施設する場合

ここで一番大事なのは、内容そのものより「4つしかない」という数の意識です。

試験問題は「例外を5つ並べて、1つだけ偽物を混ぜる」という作り方をしてきます。数を4つと固定しておけば、5つ目が出てきた瞬間に「おかしいぞ」と気づけます。

🃏 暗記シート
Q. 架空電線路の支持物の昇塔防止において、足場金具等を地表上1.8m未満に施設できる例外は何個あるか
💡 カク・ボウ・サク・ヤマ

ステップ3:カク=しまえるなら、そもそも登れない

条件①カク/足場金具の格納構造

1つ目の例外は「格納構造」です。

普段は足場金具が支持物の内部に収まっていて、外側には何も出ていない。作業員が保守をするときだけ引き出して使う。そういう構造です。

つまり、普段は登る足がかりが物理的に存在しないわけです。低い位置に「あること」自体は問題ではなく、「常に外に出ていて掴めること」が問題だった。だから、しまえるなら低くてよい。理屈が通っていますね。

なお条文では「容易に取り外しできる」ではなく「内部に格納できる」と書かれています。この言い回しの違いが選択肢のすり替えに使われるので、格納=しまい込むというイメージで押さえておいてください。

🃏 暗記シート
Q. 架空電線路の支持物の昇塔防止において、足場金具等が「内部に格納できる構造」であるとはどのような状態か

ステップ4:ボウ=登ろうとしても、体が上がらない

条件②ボウ/昇塔防止装置(球体ガード・針山)

2つ目は「昇塔防止装置」です。

これは名前のとおり、登ることそのものを物理的に阻む装置です。実物としては、次のようなものが使われています。

  • 回転する球状のガード(掴んでも回ってしまい、体重を預けられない)
  • 剣山状の突起(手も足もかけられない)

送電鉄塔を見上げる機会があったら、脚の途中に丸い金属の輪や、トゲトゲした板が付いていないか探してみてください。あれが昇塔防止装置です。一度実物を目にすると、この条文はもう忘れません。

ポイントは「登れなくしている」という点です。この視点が、後で出てくる引っかけを見抜く武器になります。

ステップ5:サク=そもそも支持物に近づけない

条件③サク/さく・へい等の施設

3つ目は「さく、へい等」です。

支持物の周りを柵や塀で囲ってしまい、人が容易に立ち入れないようにする。足場金具に手が届く場所まで、そもそも行けないという考え方です。

この「立入を防ぐには、さく・へい等で囲む」という発想は、法規のあちこちで繰り返し出てきます。発電所や変電所の立入防止も同じ考え方でできているので、このあたりが曖昧な人は、先に発電所への立入防止を『屋外はさく、屋内は壁、地中箱はふた』で丸ごと攻略|電技第23条・解釈第38条を読んでおくと、頭の中で一本につながります。

🃏 暗記シート
Q. 送電鉄塔や電柱に取り付けられる「昇塔防止装置」には、具体的にどのようなものがあるか

ステップ6:ヤマ=そもそも人が来ない

条件④ヤマ/山地等で立入困難

4つ目は「山地等であって、人が容易に立ち入るおそれがない場所」です。

これまでの3つは「登らせない・近づけない」という設備側の工夫でした。4つ目だけは毛色が違い、立地そのものが理由になっています。

山の中に立つ鉄塔まで、わざわざ登山して悪さをしに来る人はまずいません。人が来ないなら、いたずら昇塔も不用意な接近も起こらない。だから設備側で対策をしなくても許される、という理屈です。

例外何で安全を担保しているか
カク(格納構造)足がかりを普段は無くす
ボウ(昇塔防止装置)物理的に登れなくする
サク(さく・へい等)支持物に近づけなくする
ヤマ(山地等)そもそも人が来ない立地

この表のように、4つとも「人が登るという事態が起こらない」という一点で共通しています。バラバラの4つを丸暗記するのではなく、共通点で束ねてしまえば思い出しやすくなります。

🃏 暗記シート
Q. 架空電線路の支持物の昇塔防止において、「山地等であって人が容易に立ち入るおそれがない場所」が例外として認められる理由は何か

ステップ7:監視装置は、なぜ仲間外れなのか

ここがこの単元の山場です。

試験の選択肢には、しばしば「支持物に監視装置を施設する場合」という一文が紛れ込みます。監視カメラを付けて見張るのだから安全そうに見える。実際、多くの受験者がここで手を止めます。

しかし、答えは「例外にならない」です。

理由を、4つの例外と並べて考えてみてください。

手段効果
格納構造・昇塔防止装置・さく等・山地等登るという行為が起こらない
監視装置登った後で気づく

監視は、事故を防ぐ手段ではなく、事故に気づく手段です。カメラが映していても、登った人の墜落も感電も止められません。条文が求めているのは「起こさせないこと」なので、監視装置は例外に入れてもらえないわけです。

理屈で押さえておけば、本番で「監視装置」の5文字を見た瞬間に反応できます。

🃏 暗記シート
Q. 架空電線路の支持物の昇塔防止において、支持物に監視装置(監視カメラ等)を施設すれば足場金具等を1.8m未満にできるか
💡 見ているだけでは防げない

ステップ8:電技第24条と解釈第53条は、役割が違う

この単元には、条文が2つ登場します。混ざりやすいので、役割で切り分けておきましょう。

条文立ち位置書いてある内容
電技 第24条省令(上位・理念)感電のおそれがないように施設する、という考え方
解釈 第53条解釈(下位・具体)地表上1.8m以上、例外は4つ、という数値と条件

上が「なぜそうするのか」、下が「具体的にどうするのか」です。試験で数字や例外を問われているなら、それは必ず解釈第53条の話だと判断できます。

この「上位ほど抽象的、下位ほど具体的」という構造は法規全体の背骨なので、もし条文の上下関係がぼんやりしている自覚があるなら、法規攻略の第一歩!『電技 = 解釈 = 細かさ最上級』で法令ピラミッドを丸ごと理解に一度戻ると、法規全体の見え方が変わります。

🃏 暗記シート
Q. 電験三種の法規において、電技第24条と電技解釈第53条は、架空電線路の支持物の昇塔防止に関してそれぞれ何を定めているか
💡 理念が上、具体ルールが下

ステップ9:現場ではこうなっている

条文だけだと味気ないので、現場の話を少しだけ。

街を歩いていて電柱を見上げると、足場金具(ステップボルト)が明らかに手の届かない高さから始まっているのが分かります。あれは意匠でも施工の都合でもなく、子供のいたずら昇塔や不用意な感電事故を防ぐための、実際の安全対策です。条文の1.8mが、そのまま街の景色になっているわけですね。

送電鉄塔のほうは、もっと分かりやすい。脚部に回転球状のガードや剣山状の突起が付いている例が多く、写真で見れば一目で「これが昇塔防止装置か」と分かります。

条文を暗記事項として覚えるのがつらい人ほど、実物と結びつけると記憶が長持ちします。通勤の途中で一度、電柱を見上げてみてください。

まとめ

この単元でやることは、結局これだけです。

項目覚える内容
大原則足場金具等は地表上1.8m以上
例外の数4つだけ
例外の中身カク(格納構造)・ボウ(昇塔防止装置)・サク(さく・へい等)・ヤマ(山地等)
引っかけ監視装置は例外ではない
条文の役割電技24条=理念/解釈53条=1.8mと例外の具体ルール

数字が1つ、例外が4つ、罠が1つ。合計6項目です。法規の他の単元と比べれば、驚くほど軽い。

法規が苦手だと感じている人ほど、こういう「軽い単元」を確実に取りにいくのが正解です。感電・火災の防止規定と合わせて押さえたい人は、感電・火災等の防止を『架空は絶縁、地中はケーブル、低圧は2000分の1』で攻略|電技第20〜22条も同じ流れで読めます。

⚠ ここを間違える人が多い

この単元での失点は、パターンがはっきりしています。3つだけ挙げておきます。

❌「たしか2mだったはず」 → ✅ 1.8mちょうどが基準

高さの数字を、身長のイメージから2.0mと記憶してしまう人がいます。ところが条文の値は1.8m。試験では「1.5m」「1.8m」「2.0m」「2.5m」といった値が横並びで出るため、うろ覚えだと素直に間違った選択肢を選んでしまいます。1.8という数字だけは、フレーズごと丸のまま覚えてください。

❌「取り外せる構造だからOK」 → ✅ 条文の言葉は「内部に格納できる」

足場金具の例外を「取り外せるならよい」と記憶していると、選択肢に「容易に取り外しできる構造」と書かれていたときに素通りしてしまいます。条文が求めているのは、支持物の内部にしまい込める構造です。取り外して別に保管するのではなく、その場に格納する。言葉の差が正誤の差になります。

❌「見張っているのだから安全」 → ✅ 監視は例外に含まれない

繰り返しになりますが、ここが最頻出の罠です。監視装置・監視カメラ・巡視といった「見る」系の対策は、どれだけもっともらしく書かれていても例外4つに入りません。登れなくしているか? という基準で選択肢を見れば、一発で切れます。

この3つを潰しておけば、この単元で落とすことはまずありません。

過去問ではこう出た

このテーマは、平成30年 問7で出題されています。

出題のされ方には共通の傾向があります。条文の穴埋め形式で「地表上◯m以上」の数値を問い、あわせて1.8m未満にできる例外を選択肢に並べ、その中に例外ではないものを1つ混ぜてくる、という作りです。

つまり、問われているのは「数値が正確か」と「例外4つを数まで含めて言えるか」の2点だけ。逆にいえば、この記事の内容が入っていれば、選択肢を上から順に消していくだけで答えにたどり着けます。

条文そのものを問う出題なので、解いた手応えがそのまま得点になる単元です。手を動かして確認しておきましょう。

電験ジムで実際に解いてみる

よくある質問

Q. 1.8mは「以上」ですか、「超える」ですか?

条文は「地表上1.8m以上」です。つまり1.8mちょうどはセーフ、条件を満たしています。法規では「以上・以下」と「超える・未満」の区別が正誤を分ける場面がたびたびあるので、数値とセットで語尾まで覚えるクセをつけておくと安全です。ここでは「1.8m以上」「1.8m未満なら例外が必要」と対で押さえてください。

Q. 例外の4つは、どれか1つを満たせばいいのですか?

はい、いずれか1つを満たせば足場金具等を1.8m未満に施設できます。4つ全部を揃える必要はありません。条文も「次のいずれかに該当する場合」という書き方をしています。実際の設備でも、山の中の鉄塔なら「ヤマ」だけ、街中の変電所構内なら「サク」だけ、というように、その場所に合った1つが選ばれています。

Q. 電柱に登るための金具が高い位置にあると、作業員は困らないのですか?

現場では、はしごや高所作業車を使って足場金具の位置まで上がります。つまり装備のある作業員は登れて、装備のない一般人は登れないという線引きが、1.8mという高さで実現されているわけです。この規定は作業を邪魔するためのものではなく、「資格と装備を持つ人だけが登る」という状態を作るためのもの、と理解しておくと条文の意図がすっと入ってきます。

Q. 昇塔防止装置を付ければ、足場金具を地面すれすれに付けてもいいのですか?

条文の上では、昇塔防止装置を施設すれば1.8m未満への施設が認められます。ただし、その昇塔防止装置が実際に登れない状態をつくっていることが前提です。試験では条文どおり「昇塔防止装置を施設する場合は例外に該当する」と判断して構いません。例外に当たるかどうかだけを問われている、と割り切るのが得点への近道です。

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この記事を書いた人

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電験三種を含め、さまざまな資格を一発合格した経験をもとに、 忙しい社会人が最短距離で受かるための教材とYouTube解説を作っています。 暗記シート・講義ノートは累計2,000部を突破し、 多くの合格報告をいただいています。

保有資格

電気主任技術者電気工事士公害防止管理者放射線取扱主任者中学校・高等学校 教員免許
  • ⚡ 電験三種・電験二種の解説動画をYouTubeで公開中
  • 📚「勉強の過程」より「結果を重視」した教材の制作・販売
  • 🏋️ 過去問対策Webサービス「電験ジム」を開発・運営

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