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電力 第3回 ⏱ 約11分で読めます

水車の種類は『衝動 vs 反動』で9割攻略

電験三種「電力」科目の水力発電で頻出『水車の種類』を、衝動/反動の2大分類から落差・流量との対応、キャビテーション・水撃作用・吸い出し管・ポンプ水車までまとめて解説。文章問題の得点源にするための完全攻略記事です。

🃏 暗記フレーズ:衝動=運動E(ペルトン)/反動=圧力E(フランシス・斜流・プロペラ)

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この記事で身につくこと

電験三種「電力」科目の 文章問題の得点源 が、水力発電の 水車の種類 です。

ペルトン・フランシス・斜流・プロペラ・カプラン・チューブラ・クロスフロー…と覚える名前が多くて挫折しがちですが、本質は 「衝動 vs 反動」の2大分類 から枝分かれする1本のツリーです。

読み終えるころには、

  • 衝動水車と反動水車の違い を一言で説明できる
  • ペルトン・フランシス・プロペラの 落差順 を即答できる
  • 水撃作用・キャビテーション・吸い出し管 の関係を理解できる
  • 揚水発電で ポンプ水車 がなぜ必要かが分かる

ようになります。

暗記フレーズ:すべては2大分類から始まる

衝動=運動エネルギー(ペルトン)/反動=圧力エネルギー(フランシス・斜流・プロペラ)

この一行さえ頭に入っていれば、各水車の特徴は派生で整理できます。

水車の2大分類:衝動 vs 反動

水車は「水のどのエネルギーを使うか」で2つに分かれます。

分類利用エネルギー周囲代表水車
衝動水車水の 運動エネルギー空気で満たされるペルトン・クロスフロー
反動水車水の 圧力エネルギーで満たされるフランシス・斜流・プロペラ

衝動水車はノズルから噴射した水を羽根に「ぶつけて」回すイメージ。反動水車はケーシング内で水圧を受けながら回るイメージです。

💡 ここで使う「運動エネルギー」「圧力エネルギー」は、前回の ベルヌーイの定理 で出てきた3つのエネルギーのうちの2つです。忘れていたらベルヌーイの記事で復習を。

🃏 暗記シート
Q. 衝動水車と反動水車の違いは?それぞれ周囲は何で満たされる?

各水車の特徴一覧

水車分類落差流量特徴
ペルトン衝動ノズル噴射でバケットを回す。水撃作用に注意
クロスフロー衝動円筒水車を垂直方向に水が流れる。木製水車のイメージ
フランシス反動中〜大最も普及。ダム式水力発電の主流。キャビテーションに注意
斜流(デリア)反動可動羽根 で落差変動に対応
プロペラ反動扇風機状の羽根。カプラン水車(可動羽根)が有名

落差の大小:ペルトン → フランシス → プロペラ

3大水車の覚え方は 落差の順番 がカギです。

高落差 ─── ペルトン   (ノズル噴射、低流量、衝動)
中落差 ─── フランシス (最普及、反動)
低落差 ─── プロペラ   (大流量、反動)

日本のダム式水力発電は 落差が建設時に固定 されるため、可動羽根の必要が薄いシンプルな フランシス水車 が主流になります。逆に、落差変動の激しい場所では 斜流(デリア)水車 の可動羽根が活きます。

🃏 暗記シート
Q. ペルトン・フランシス・プロペラの適応落差を高→低の順に並べると?

衝動水車の落とし穴:水撃作用

ペルトン水車では、流量調整用の ニードル弁を急に閉じる水撃作用 が発生します。

ニードル弁を急閉鎖
   ↓
水圧管内の水が急停止
   ↓
圧力が跳ね上がる
   ↓
配管や機器を損傷

対策は2つ:

  • ニードル弁を ゆっくり閉じる
  • デフレクタ で水流を一時的にそらし、衝撃を緩和

衝動水車は運動エネルギーをそのまま受ける構造のため、運動量の急変が機器を直撃します。

🃏 暗記シート
Q. ペルトン水車でニードル弁を急閉鎖すると何が起きる?対策は?

反動水車の落とし穴:キャビテーション

最普及の フランシス水車 で必ず話題になるのが キャビテーション。衝動水車の水撃作用に対する「反動水車版の障害」です。

ランナ内部で高速水流 → 局所的に圧力低下
   ↓
飽和蒸気圧以下になり、水が気化(気泡発生)
   ↓
ランナベーン表面で気泡が崩壊・衝撃
   ↓
壊食・振動・騒音・効率低下・破損

対策装備は 吸い出し管(サクションパイプ)

  • ランナ出口から放水面までの接続管
  • ランナから放出された水の 運動エネルギーを位置エネルギーとして回収 → 損失低減
  • ランナ出口圧力を 大気圧以下 に保ち、反動効果を最大化

💡 「水車の損傷の主犯は砂や小石でしょ?」と思いがちですが、実はほとんどが圧縮された空気(キャビテーションの気泡)。吸い出し管をつけても損傷をゼロにはできないほど厄介な現象です。

🃏 暗記シート
Q. 反動水車で起きる『キャビテーション』とは?対策装備は?

プロペラ水車の派生:カプラン vs チューブラ

低落差・大流量向けの プロペラ水車 には、覚えておきたい2つの派生があります。

派生特徴適応
カプラン水車羽根の角度を変えられる 可動羽根低落差・流量変動あり
チューブラ水車水が 横から入る 構造ほぼ落差ゼロ・超低落差

試験で2つの特徴が混ざらないよう、「カプラン=可動羽根」「チューブラ=横流れ・超低落差」 とセットで覚えるのがコツです。

補足:揚水発電の主役『ポンプ水車』

「ポンプ水車」は唯一 下から水を汲み上げられる 特殊な水車です。

時間帯動作役割
日中(電気需要大)発電機として運転(上→下に水を流す)発電
深夜(電気需要小)電動機として運転(下→上に汲み上げ)蓄電

出力調整が苦手な 原子力・火力発電 に対し、揚水発電は電力のバッファ として需給調整を担います。「一台二役メカ」と覚えましょう。

🃏 暗記シート
Q. 揚水発電に使われる『ポンプ水車』の役割は?

まとめ:水車の種類 攻略チェックリスト

項目内容
大分類衝動(運動E)/反動(圧力E)
周囲衝動=空気 / 反動=
落差順ペルトン → フランシス → プロペラ
衝動水車の障害水撃作用(ニードル弁急閉鎖/デフレクタで対策)
反動水車の障害キャビテーション吸い出し管で対策)
最普及フランシス水車(日本のダム水力発電の主流)
揚水発電ポンプ水車(一台二役・電力バッファ)

暗記フレーズ:衝動=運動エネルギー(ペルトン)/反動=圧力エネルギー(フランシス・斜流・プロペラ)

この一行と上の表をセットで押さえれば、水車の種類は文章問題の確実な得点源になります。

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