資格LABO
資格LABO
ズルい勉強法ラボ
電力 第11回 ⏱ 約10分で読めます

捨てた熱でもう一度発電!コンバインドサイクルの効率62%の正体

電験三種「電力」科目で必出のコンバインドサイクル発電を完全攻略。ブレイトン+ランキンの二段リレーで効率55〜62%を叩き出す仕組みと、総合効率式 η=ηg+ηs(1-ηg) の導出を、エネルギーの流れの図解で直感的に理解できる1記事です。

🃏 暗記フレーズ:ガスで発電、排熱で蒸気、二段で高効率!

🎥 動画でも解説しています > YouTubeで開く

この記事で身につくこと

電験三種「電力」科目の汽力・新エネルギー分野で、近年の本命となっているのが コンバインドサイクル発電。 聞き慣れないカタカナと、見た瞬間に呪文に見える総合効率式 η = ηg + ηs(1 − ηg) で、多くの受験生がここで挫折します。 でも本質は、「ガスで1回発電して、その排熱でもう1回発電する」だけ。エネルギーの流れを絵で追えば、公式は勝手に出てきます。

本記事を読み終えたら、

  • コンバインドサイクル発電の仕組みを 二段リレー として説明できる
  • 総合効率式 η=ηg+ηs(1−ηg) を 自力で導出 できる
  • 汽力発電との違い・効率の差を、試験本番で即答できる

ようになります。

暗記フレーズ:ガスで発電、排熱で蒸気、二段で高効率!

燃料は1回、発電は2回

これがコンバインドサイクルの全て。 ガスタービンで一次発電 → その排熱(約500〜600℃)を捨てずに蒸気を作って二次発電。ブレイトンサイクル + ランキンサイクルのリレー だと思えば、頭の中で絵が描けるようになります。

仕組み:1回の燃料で2回発電するリレー

コンバインドサイクル発電は、性格の違う2つのサイクルを 直列につなぐ ことで成り立っています。

サイクル役割効率記号
1段目ブレイトンサイクル(ガスタービン)燃焼ガスでタービンを回す 一次発電ηg
2段目ランキンサイクル(蒸気タービン)1段目の排熱で蒸気を作り、再びタービンを回す 二次発電ηs

エネルギーの流れを左から右に追うと、

  1. 空気圧縮機(コンプレッサ) で空気を高圧に圧縮
  2. 燃焼器 で燃料と混ぜて燃焼 → 約600℃の高温ガス
  3. ガスタービン を回して一次発電(効率 ηg)
  4. 排ガス(まだ約500〜600℃!)を 排熱回収ボイラ(HRSG) に送り、水を蒸気に変える
  5. 蒸気タービン を回して二次発電(効率 ηs)
  6. 復水器 で蒸気を水に戻し、再びボイラへ

ポイントは 4番のHRSG。ここでは 燃料を一切追加しません。捨てるはずだったガスタービンの排熱を「無料の熱源」として使い、まるごと蒸気発電に流用してしまう。これが効率を爆上げする最大のカラクリです。

🃏 暗記シート
Q. ガスタービンの排熱を回収して蒸気を作る設備の名前は?
💡 HRSGの略でも問われる

💡 試験頻出ポイント:ガスタービンの 消費動力の大部分は、実は空気圧縮機(コンプレッサ)で使われています。「ガスタービン=タービンが主役」と思い込んでいると引っかかる定番ネタです。

総合効率式の導出:呪文を絵で解きほぐす

ここからが本題。総合効率式 η = ηg + ηs(1 − ηg) を、エネルギーの流れの図 から導きます。

ステップ1:ガスタービン段のエネルギー

入力エネルギーを Pi(燃料の持つ熱量)とおきます。 ガスタービンの効率が ηg なので、

  • 取り出せる電力:ηg × Pi
  • 排熱として残る分:(1 − ηg) × Pi

普通の発電なら、右側の (1 − ηg)Pi は復水器で海に捨てて終了。これが従来型汽力発電の限界です。

ステップ2:排熱を蒸気タービンで再利用

コンバインドサイクルでは、この (1 − ηg)Pi を捨てずに蒸気タービンに流します。 蒸気タービンの効率を ηs とすれば、

  • 追加で取り出せる電力:ηs × (1 − ηg) × Pi

つまり「残りカス」に ηs を掛けた分が、ボーナス発電として上乗せされる構図です。

ステップ3:合計して総合効率を出す

総合効率 η は、

η = (ガスタービン出力 + 蒸気タービン出力)/ 入力エネルギー
  = ( ηg・Pi + ηs(1 − ηg)・Pi ) / Pi
  = ηg + ηs(1 − ηg)

Pi がきれいに約分されて、見慣れた公式に到着します。

η = ηg + ηs(1 − ηg)

意味づけはシンプルで、

  • 第1項 ηg:ガスタービン単体の効率(一次発電)
  • 第2項 ηs(1 − ηg):使い切れなかった排熱から、蒸気タービンが拾い上げた分(二次発電)

最初は呪文に見えた式が、「一次発電 + 排熱回収分」という 足し算 だったとわかれば、もう怖くありません。

🃏 暗記シート
Q. コンバインドサイクル発電の総合効率式は?

ηg が上がったら、蒸気タービンの出番は減る?

「ガスタービン側の効率 ηg がどんどん良くなったら、蒸気タービンっていらなくならない?」 鋭い疑問ですが、答えは 「出番は減るが、必ず合計効率は単独より高くなる」 です。

  • ηg が大きくなる → (1 − ηg) が小さくなる → 蒸気タービンの寄与 ηs(1 − ηg) は 減る
  • ただし (1 − ηg) は 絶対にゼロにはならない(排熱が完全にゼロの熱機関は不可能)
  • なので 必ず ηg より大きい η が得られる → 二段利用は常に有利

これが「二段リレーは正義」と言われる理由です。

従来型 vs コンバインド:効率20%以上の差

最後に、汽力発電とのスペック比較を表で押さえておきましょう。

項目従来型(汽力発電)コンバインドサイクル発電
段数単段複合・二段
熱源燃料の燃焼のみ燃料の燃焼 + 排熱の再利用
総合効率40%台55〜62%
排熱の扱い復水器で海へ捨てるHRSG で徹底的に使い切る
起動・停止遅い速い(需要変動に強い)

効率差が 20ポイント以上 あるので、燃料代も CO₂ 排出量もまるごと下がる。さらに起動が速いため、需要が激しく変動する都市部近郊の発電所では GTCC(Gas Turbine Combined Cycle) として主力になっています。

🃏 暗記シート
Q. 従来型の汽力発電と比べて、コンバインドサイクル発電の総合効率は?

まとめ

  • コンバインドサイクル発電 = ブレイトン + ランキンの二段リレー
  • ガスタービン排熱(約500〜600℃)を HRSG で回収し、蒸気タービンで再発電
  • 総合効率式:η = ηg + ηs(1 − ηg)(一次発電 + 排熱回収分の足し算)
  • 従来型 40%台 → コンバインド 55〜62% で、20%以上の効率アップ
  • 試験頻出:消費動力の大部分は 空気圧縮機/排熱回収ボイラの正式名は HRSG

暗記フレーズ:ガスで発電、排熱で蒸気、二段で高効率!

この一言と、エネルギーの流れの絵さえ頭に入っていれば、コンバインドサイクル関連の問題はすべて怖くありません。

📖 ここまで読んだあなたへ

Webの何倍も覚えやすい
紙のフルラミネート加工の
暗記シート
があります

実績2,000部突破
お風呂や電車のスキマ時間でサクッと勉強できます。
付属の練習用紙で無限に練習できます♪

📋ラミネート加工 🎨フルカラー 💧防水 🛁お風呂でもOK 🚃電車でもOK ♾️練習用紙で無限練習

この記事を読み終えたら、進捗を記録しましょう

この記事をシェア

📚 電力科目の他の記事も読む

次は…(ローテーション順)
法規
免許なしでも電気主任技術者になれる!?「許可選任」を完全攻略

機能追加のご要望・バグ報告をお待ちしています

サイトをより良くするため、お気付きの点・「こんな機能が欲しい」「このページが見にくい」など、お気軽にご意見をお寄せください。

フィードバックを送る →