外部委託の数字を「5-2-1法則+7000V」で一瞬攻略
電験三種「法規」科目で頻出の外部委託承認制度と保安監督範囲の数字を、魔法のフレーズ『5-2-1法則+7000V』『一種すべて・二種17万V・三種5万V』で一発整理。太陽光・水力・火力の上限kWと、需要設備・配電線路の電圧条件まで丸ごとマスターするための1記事です。内燃機関(ディーゼル)が何kW側かという頻出の引っかけも解説します。
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この記事で身につくこと
法規のテキストを開いて、「5,000kW」「2,000kW」「1,000kW」「7,000V」「600V」「17万V」「5万V」……この数字の羅列を見た瞬間に、そっとページを閉じたことはありませんか。
大丈夫です。閉じた人が9割です。むしろ、ここで一度も迷わなかった人のほうが珍しい。
この記事を読み終えると、次の状態になります。
| 今の状態 | 記事を読んだあと |
|---|---|
| 太陽光は2,000kWだっけ?と毎回迷う | 危険度の順に5→2→1と即答できる |
| 電圧条件が600Vか7,000Vか思い出せない | 「共通は7,000V、配電だけ600V」で切り分けられる |
| 一種・二種・三種の監督範囲があいまい | 「一種すべて、二種17万、三種5万」が反射で出る |
| 数字を1個ずつ丸暗記している | 5文字の暗号1つで全部引き出せる |
やることは、数字を覚え直すことではありません。数字を並べ替えて、意味のある一本の流れにすること。それだけです。

暗記フレーズ:外部委託は 5-2-1 と 7000V/監督は 一種すべて・二種17万・三種5万
今日覚えていただくのは、この2行だけです。
① 外部委託は 5,000・2,000・1,000kW と 7,000V ② 監督範囲は 一種すべて、二種17万V、三種5万V
外部委託まわりの数字は、この2行に全部入っています。逆に言えば、この2行の外側にある数字は出てきません。覚える範囲が確定するというのは、それだけで気持ちが軽くなるものです。

法規というのは、こうした「数字を4つ5つセットで問う」出題が本当に多い科目です。工事計画の届出も同じ構造をしていて、あちらは工事計画の届出は「30・10・20・500」の4つの数字で攻略という別の暗号で片づきます。数字パズルとして扱う——この姿勢が法規攻略の芯です。
ステップ1:なぜ、この数字だけ毎回こんがらがるのか

理由ははっきりしています。種類が違う数字を、同じ引き出しに放り込んでいるからです。
外部委託の数字には、性質の異なる2種類が混ざっています。
| 数字の種類 | 中身 | 性質 |
|---|---|---|
| 出力(kW)の上限 | 5,000/2,000/1,000 | 設備の種類ごとに変わる |
| 電圧(V)の条件 | 7,000(配電のみ600) | ほぼ全部に共通 |
この2つを分けずに「7つの数字」として暗記すると、試験本番で「太陽光は……2,000? いや電圧が600Vだったっけ?」という混線が起きます。
先に電圧を固定してしまう。そのうえで、kWだけを設備ごとに振り分ける。この二段構えにするだけで、迷いはほぼ消えます。
ステップ2:まず「7,000V以下」という大前提を脳に刻む

そもそも保安管理業務外部委託承認制度とは、どんな制度なのでしょうか。
事業用電気工作物には、本来、自社で電気主任技術者を選任する義務があります。ところが小規模な設備まですべてに専任者を置くのは現実的ではありません。そこで、一定規模以下の小規模・低電圧設備に限って、保安協会などの外部へ点検・保守を委託してよいという特例が設けられています。これが外部委託承認制度です。
絶対の共通条件
その「低電圧」の中身が、7,000V以下という条件です。
7,000V以下で系統連系すること。 これが発電設備すべてに共通する、絶対の前提。
先に電圧を確定させてから、設備の種類ごとにkWの上限を見に行く。順番はいつもこれです。
なお、選任の話そのものがあやふやだという方は、先に免許なしでも電気主任技術者になれる!?「許可選任」を完全攻略を読んでおくと、「本来は選任、例外として外部委託」という制度の位置関係がスッと入ってきます。
ステップ3:太陽光は「5」——一番安全だから、一番ゆるい

魔法のコード、1文字目は 5。太陽光発電です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 太陽光発電所 |
| 出力条件 | 5,000kW未満 |
| 電圧条件 | 7,000V以下 |
なぜ太陽光だけ、こんなに大きな数字が許されているのか。理由は単純で、回転する部分がないからです。
タービンも軸受けもない。機械的に摩耗する箇所がなく、構造的なトラブルが起きにくい。だから外部の人間が定期的に見に行く形でも安全性が保てる——そう判断されて、基準が最もゆるく(=数字が最も大きく)設定されています。
暗記のコツ:一番安全な太陽光が、最大の「5」。
ステップ4:水力・火力・風力は「2」——動くパーツがある

2文字目は 2。水力・火力・風力の発電所です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 水力・火力・風力発電所 |
| 出力条件 | 2,000kW未満 |
| 電圧条件 | 7,000V以下 |
太陽光との違いは、タービンなどの可動部分があるかどうか、この一点です。
水車が回る、蒸気タービンが回る、風車が回る。物理的な運動をともなう以上、軸のトラブルも振動も摩耗も起こりえます。リスクが一段階上がるぶん、外部委託を認める基準は厳しく(=数字が小さく)なる。
暗記のコツ:動くパーツがある自然エネルギー等は、真ん中の「2」。
ステップ5:残りは「1」——1,000kW未満は「①②以外」の受け皿
3文字目は 1。①の太陽光・蓄電所にも、②の水力・火力・風力にも当てはまらない、その他の発電所です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | その他の発電所(燃料電池発電所など) |
| 出力条件 | 1,000kW未満 |
| 電圧条件 | 7,000V以下 |
条文(電気事業法施行規則 第52条第2項第3号)は、こう書かれています。
出力千キロワット未満の発電所(前二号に掲げるものを除く。)であって電圧七千ボルト以下で連系等をするもの
「前二号に掲げるものを除く」——つまりこの③は、①と②で拾いきれなかったものを受け止める枠です。具体的には燃料電池発電所などが該当します。
⚠️ 最大の引っかけ:内燃機関(ディーゼル発電機)は「2」です
ここが、この単元でもっとも間違えやすいポイントです。
「エンジンは燃料を燃やすから危険そう」という感覚で、内燃機関を③の1,000kW未満に入れてしまう人が非常に多いのですが、これは誤りです。
内燃力を原動力とする発電所は、電気事業法上「火力発電所」に含まれます。 したがって②の 2,000kW未満 が正解です。
根拠は条文そのものです。第52条第2項第2号は、こう定めています。
出力二千キロワット未満の発電所(水力発電所、火力発電所及び風力発電所に限る。)
ここに 内燃力を除外する規定はありません。もし除外するなら「火力発電所(内燃力を原動力とするものを除く。)」と書かれるはずで、実際に同じ第52条の別の箇所ではその書き方がされています。書かれていない=含まれる、というのが条文の読み方です。
ここまでを一気に並べると、こうなります。
| コード | 上限 | 対象 | 覚え方 |
|---|---|---|---|
| 5 | 5,000kW未満 | 太陽光・蓄電所 | 動く部分がなく最も安全だから、いちばん緩い |
| 2 | 2,000kW未満 | 水力・火力・風力(内燃機関もここ) | 回転や燃焼をともなうぶん一段階厳しい |
| 1 | 1,000kW未満 | その他(燃料電池など) | ①②以外を受け止める枠 |
5→2→1という並びは、そのまま「外部委託のしやすさ」の順番です。 そして③は「危険だから厳しい」のではなく、①②のどこにも入らないもの、と捉えるのが条文に忠実な理解です。
意味がわかった暗記は、忘れても現場で復元できます。これが丸暗記との決定的な差です。
ステップ6:発電所以外——需要設備と配電線路

外部委託の対象は、発電所だけではありません。残る2つも数字で一発です。
| 対象 | 条件 | ポイント |
|---|---|---|
| 需要設備 | 7,000V以下で受電するもの | 発電所の連系条件と同じ7,000Vなので迷わない |
| 配電線路 | 600V以下 | ここだけ電圧が低い |
需要設備のほうは、すでに頭に入れた7,000Vがそのまま使えます。新しく覚えることはありません。
問題は配電線路です。配電線路だけが600V以下。ここが試験の引っかけどころで、選択肢に「配電線路は7,000V以下」と書かれていると、うっかり通してしまう人が出ます。
「共通は7,000V。ただし配電線路だけ600V。」 例外は1つだけ、と覚えてしまえば怖くありません。
これで「5-2-1法則 + 7,000V(配電のみ600V)」の完全網羅、完了です。
ステップ7:保安の監督範囲——「一種すべて、二種17万、三種5万」
ここからは2行目のフレーズ、電気主任技術者が保安の監督をできる範囲の話です。
| 資格 | 保安の監督ができる範囲 |
|---|---|
| 第一種電気主任技術者 | すべての事業用電気工作物 |
| 第二種電気主任技術者 | 17万V(170kV)未満 |
| 第三種電気主任技術者 | 5万V(50kV)未満 |
いまお読みの方が目指している第三種は、5万V未満が守備範囲ということになります。
「未満」を落とさない
この表で最も落としやすいのが、末尾の未満です。
穴埋め問題では「17万」「5万」という数字そのものが直接問われますが、正誤問題では「5万V以下」と書き換えて誤りにしてくる形が成立します。数字と「未満」は、必ずセットで口に出して覚えてください。
ステップ8:この形で問われる
実際の問い方に慣れておきましょう。
問1
保安管理業務の外部委託が認められる太陽光発電所の出力上限は何kW未満か。また、そのときの系統連系の電圧上限は?
解答:5,000kW未満(7,000V以下)
魔法のフレーズ「5、2、1」を思い出せば瞬殺です。安全な太陽光は一番大きい「5」、共通条件は「7,000V」。2つの条件を同時に聞いてくるのが定番の形なので、kWだけ答えて電圧を忘れる、という取りこぼしに注意してください。
問2
第三種電気主任技術者が保安の監督をすることができる事業用電気工作物の電圧上限はいくつか。
解答:5万V(50kV)未満
「一種すべて、二種17万V、三種5万V」のフレーズそのままです。二種の17万Vとセットで問われることが非常に多いため、片方だけでなく両方を反射で出せるようにしておくと安全です。
まとめ
今日の内容を、1枚の表に畳んでおきます。ここだけスマホに保存しておけば、外出先でも復習できます。
外部委託承認制度(特例)
| # | 条件 | 該当する設備 |
|---|---|---|
| ① | 5,000kW未満 | 発電所(主に太陽光発電) |
| ② | 2,000kW未満 | 発電所(水力・火力・風力) |
| ③ | 1,000kW未満 | 発電所(燃料電池など、①②以外) |
| ④ | 7,000V以下で受電 | 需要設備 |
| ⑤ | 600V以下 | 配電線路 |
※①〜③は、いずれも7,000V以下で系統連系することが共通条件。
保安の監督の基準
| 資格 | 範囲 |
|---|---|
| 電験一種 | すべて |
| 電験二種 | 17万V未満 |
| 電験三種 | 5万V未満 |
迷ったら、魔法の言葉に戻ってください。
「5、2、1 と 7000V」 「一種すべて、二種17万、三種5万」
数字パズルとして攻略してしまえば、法規の難敵だった外部委託は、確実に得点を拾える単元に変わります。
⚠ ここを間違える人が多い
同じ場所で足を止める方が多いので、先回りしておきます。
❌「共通条件は6,600Vだったはず」→ ✅ 7,000V以下
実務で耳になじんでいる6,600Vという数字に、つい引き寄せられてしまうパターンです。高圧受電の設備をご存じの方ほど引っかかります。
条文で定められているのは7,000V以下。6,600Vは現場でよく使われる公称電圧であって、法令上の区切りではありません。選択肢に6,600Vが並んでいたら、それは受験者の実務感覚を狙った引っかけだと思ってください。
❌「配電線路も7,000V以下でしょ」→ ✅ 配電線路だけ600V以下
7,000Vという数字を強く覚えるほど、今度はそれを全部に当てはめたくなります。例外は配電線路の1つだけ。ここは「共通ルール+例外1つ」という形で記憶しておくのが最も安全です。
❌「三種は5万V以下まで監督できる」→ ✅ 5万V未満
数字は合っているのに、末尾で失点する典型例です。第二種の17万Vも同じく「未満」。ちょうど5万Vの設備は、三種では監督できない——この一言まで含めて覚えてしまいましょう。
法規は、こうした語尾ひとつで正誤が入れ替わる科目です。同じ性質の落とし穴は事故報告の単元にもあって、事故報告の義務は「24時間で電話、30日で書面」で一撃攻略では時間の区切りが同じように狙われます。あわせて確認しておくと、法規全体の「数字と語尾」への感度が上がります。
よくある質問
Q. 5,000kW「以下」ではなく「未満」なのはなぜ?
法令が区分の境目を明確にするためです。「未満」と書かれていれば、ちょうど5,000kWの太陽光発電所は外部委託の対象になりません。境界ちょうどの値をどちら側に入れるかで結論が変わるため、試験でもここが狙われます。
覚え方としては、外部委託のkWも監督範囲のVもすべて「未満」で統一されていると押さえてしまうのが早いです。統一されているとわかれば、条件ごとに語尾を思い出す必要がなくなります。
Q. 太陽光だけ数字がゆるいのは、優遇されているから?
優遇ではなく、リスク評価の結果です。
外部委託は「自社に主任技術者を常駐させなくてもよい」という特例ですから、認めるかどうかの判断基準は「離れていても安全を保てるか」になります。太陽光は回転部分がなく、機械的なトラブルが起きにくい。だから遠隔での保安管理が成り立ちやすく、上限が大きく設定されているわけです。
一方、回転や燃焼をともなう水力・火力・風力は一段階厳しく2,000kW未満。内燃機関(ディーゼル)もこの「火力」に含まれるので、2,000kW未満の側です。そして1,000kW未満の枠は、これらのどこにも当てはまらない発電所(燃料電池など)を受け止めるためのものです。
Q. 外部委託を使うと、電気主任技術者はまったく不要になる?
いいえ。選任を外部に委ねているだけで、保安の責任そのものが消えるわけではありません。
外部委託承認制度は、保安協会などの外部の技術者に点検・保守を担ってもらう形を承認するもので、設備の設置者が保安の義務を負っている構図は変わりません。「主任技術者がいらなくなる制度」ではなく「自社で抱えなくてよくなる制度」——この理解の差が、文章題での正誤判断を分けます。
Q. この「外部委託」は、自分が独立するときにも関係しますか?
はい。むしろ、そこが本番です。
ここまで見てきた外部委託承認制度は、試験では「設置者の側から見た制度」として出題されます。 ですが同じ制度を受託する側から見ると、これは電気管理技術者として独立するときの入口そのものです。 実際、自家用電気工作物の保安管理は約9割が外部委託で回っています。
受託する側になるには、免状のほかに実務経験が必要で、その年数は令和6年の改正で 条件がそろえば1年まで縮みました。合格したあとの進み方は、別の記事にまとめています。
→ 電験三種の実務経験は5年ではありません ── 最短1年になる仕組み
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