資格LABO
資格LABO
ズルい勉強法ラボ
理論 第10回 ⏱ 約22分で読めます

合成抵抗、ここで9割が挫折します。『積和(せきわ)』で一発攻略

電験三種「理論」科目で頻出の合成抵抗を完全攻略。直列は『そのまま足す』、並列は暗記フレーズ『積和(せきわ)』で即解決。複雑な回路も『内側のカタマリから順に書き直す』3ステップで必ず解けるようになります。

🃏 暗記フレーズ:直列はそのまま足す、並列は積和(上が積・下が和)

🎥 動画でも解説しています > YouTubeで開く

この記事で身につくこと

回路図を見た瞬間に「うわ、ぐちゃぐちゃで無理だ」と閉じてしまう。合成抵抗でつまずく方の多くが、実はここで止まっています。

でも安心してください。合成抵抗の計算は、覚えるルールがたった 2つだけ です。しかも片方は「足すだけ」。もう片方も、たった3文字の暗記フレーズで片づきます。

この記事を読み終えると、次の状態になります。

できるようになること使う道具
直列につながった抵抗をまとめられる足し算だけ
並列につながった抵抗をまとめられる暗記フレーズ「積和」
直列と並列が混ざった回路を解ける内側から順に3ステップ
答えが合っているか自分で見抜ける「並列は必ず小さくなる」の検算

合成抵抗は、理論だけの話ではありません。電力でも機械でも、回路の計算が出てくる場面では必ず土台になります。ここを固めておくと、後の学習が驚くほど楽になります。

なお、この記事は「オームの法則が分かっている」前提で進みます。 がまだ少し怪しいという方は、先にオームの法則は「公式円」で攻略!V=RIで電験計算の9割が片付くを読んでおくと、この先が一気に読みやすくなります。

暗記フレーズ:直列はそのまま足す、並列は積和(上が積・下が和)

今日、頭に焼き付けていただきたいのはこの一文だけです。

直列はそのまま足す、並列は積和(上が積・下が和)

「積和(せきわ)」——これが今日の主役です。並列につながった抵抗2本を、たった一発で1本にまとめてしまう魔法のフレーズです。

上(分子)が 、下(分母)が 。だから「せき・わ」。

順番だけは、絶対に間違えないでください。ここは後の節で改めて念を押しますが、逆にすると答えが丸ごと狂います。

🃏 暗記シート
Q. 抵抗2本を並列接続したときの合成抵抗の求め方を、暗記フレーズで答えよ。
💡 上が積、下が和

ステップ1:そもそも合成抵抗とは何か

合成抵抗とは何か|オームの法則をシンプルに使うために

合成抵抗とは、回路にある複数の抵抗を 「1つの抵抗」にまとめたもの です。

デスクの裏でPCやモニターの配線がぐちゃぐちゃに絡まっているとき、結束バンドで一本にまとめると、途端に扱いやすくなりますよね。合成抵抗もあれと同じ発想です。

なぜ、わざわざまとめるのか

理由はひとつ、回路全体にオームの法則をそのまま使いたいから です。

抵抗が5本バラバラに散らばっていると、「電源電圧に対して電流はいくら流れるのか」が一発では出せません。ところが5本を1本の にまとめてしまえば、あとは を一度使うだけで終わります。

つまり合成抵抗は、難しい回路をオームの法則が使える形に翻訳する作業 なのです。

そして、まとめ方は接続方式によって2通りしかありません。直列か、並列か。この2つだけです。

🃏 暗記シート
Q. 電気回路における「合成抵抗」とは何か?また、何のためにまとめるのか?
💡 ぐちゃぐちゃな配線を一本化するイメージ

ステップ2:直列と並列、2つの絶対ルール

直列接続と並列接続の絶対ルール|1本道と分かれ道

まず、2つの接続方式の性格を表で押さえてしまいましょう。

直列接続並列接続
電流の道1本道分かれ道
合成抵抗の式
覚え方そのまま足す積和(せきわ)
全体の抵抗は大きくなる小さくなる
感覚障害物が増える通れる道が増える

「抵抗が増えたのに小さくなる」の正体

ここでほぼ全員が引っかかります。抵抗を追加したのに、全体の抵抗が小さくなる。直感に反しますよね。

理由は単純で、電流の通れる道が増えるから です。

1車線しかない道路に車が殺到すれば大渋滞ですが、2車線に増やせば流れは良くなります。抵抗が並列に増えるというのは、この「車線を増やす」に相当します。電流が流れやすくなる=抵抗が小さくなる、というわけです。

このイメージを持っておくと、次の検算がいつでも使えます。

並列の合成抵抗は、必ず一番小さい抵抗よりさらに小さくなる。

3Ωと6Ωの並列なら、答えは必ず3Ω未満。もし計算結果が4Ωや9Ωになったら、その時点で計算ミス確定です。本番でこれを知っているかどうかは、そのまま得点差になります。

ステップ3:直列接続は「足すだけ」

直列接続の計算|とにかく「足す」だけでOK

直列は、電流にとっての一本道です。障害物(抵抗)が次々と現れるだけなので、そのまま合計すれば終わりです。

たとえば 1Ω と 2Ω が直列なら、

これだけです。ハードル走で、ハードルの数が増えればそれだけタイムが落ちる——直列はまさにその感覚どおりに動きます。3本でも4本でも、ただ足していくだけ。直列接続は、もう怖くありません。

🃏 暗記シート
Q. 抵抗を直列接続したときの合成抵抗の求め方は?
💡 1本道=足し算

ステップ4:並列接続は「積和(せきわ)」

並列接続の計算|魔法のフレーズ「積和(せきわ)」

いよいよ今日の主役です。抵抗2本の並列は、この式で一発です。

上が掛け算(積)、下が足し算(和)。だから 「せき・わ」

順番だけは、絶対に逆にしない

ここは声を大にしてお伝えします。

覚えるときに「分母が和で、分子が積で……」と、和・積の順で唱えてはいけません。 その覚え方をした方は、本番の緊張下でかなりの確率で上下を逆にします。

必ず 「せき・わ」= 上が積、下が和 の順で、口に出して覚えてください。順番そのものが式の形になっているのが、このフレーズの一番の価値です。

逆にすると、どうなるか

3Ωと6Ωで比べてみましょう。

唱え方計算結果判定
積和(正)✅ 3Ωより小さい
和積(誤)0.5Ω❌ 明らかに小さすぎ

順番を間違えるだけで、答えが4倍もずれます。「せき・わ」、この3文字だけは死守してください。

ステップ5:実践練習——複雑な回路に挑む

実践練習|複雑な回路の合成抵抗を求めよ

ここからが本番です。a-b 間の合成抵抗を求めていきます。

回路にあるのは、上に 1Ωと2Ω、左下に 3Ωと6Ω、右下に 。直列と並列が入り混じった、いかにも試験に出そうな形です。

最初に見たとき「うわ、複雑そう」と感じたなら、それが普通の反応です。ですが、やることは終始これだけです。

小さな直列・並列を見つけて、一つずつまとめる。

次から、3つのステップで解きほぐしていきます。

ステップ6:STEP1 — 一番内側の並列から手をつける

STEP1|一番内側の「並列」から攻略する

まず回路全体を眺めて、他の部分と切り離して計算できるカタマリ を探します。

見つかりました。左下の 3Ωと6Ωの並列 です。ここは他とつながりを持たずに単独で計算できます。玉ねぎの皮を内側から剥がしていくように、この一番内側のカタマリから攻略します。

積和で計算する

STEP1の計算|3Ωと6Ωの並列=2Ω

並列なので、当然「積和」です。

分子(積)は 3×6=18、分母(和)は 3+6=9。割って

ごちゃついて見えた並列部分が、2Ωの抵抗1本 に置き換わりました。これが「まとめる」ことの威力です。一つずつ分解してしまえば、難しいことは何ひとつしていません。

🃏 暗記シート
Q. 合成抵抗の計算で、3Ωと6Ωを並列接続したときの合成抵抗は何Ωか?
💡 積和で計算する

ステップ7:STEP2 — 書き直してから直列をまとめる

計算したら、必ず 回路を書き直します。左下を「2Ω」に置き換えて描くと、回路は見違えるほどスッキリします。

STEP2の計算|直列は足すだけ(3Ωと6Ω)

書き直した図を見ると、上段も下段も一直線=直列であることが一目で分かります。あとは足すだけです。

中身計算結果
上段1Ω + 2Ω
下段2Ω(STEP1の結果)+ 4Ω

上段が3Ω、下段が6Ω。バラバラだった5本の抵抗が、ついに2本にまで減りました。パズルのピースが溶けていくような、この感覚を味わってください。

ステップ8:STEP3 — 最後の並列で決着

もう一度書き直すと、残ったのは 上段3Ωと下段6Ωの並列 だけ。驚くほどシンプルな形になりました。

お気づきでしょうか。この形、STEP1で解いた「3Ωと6Ωの並列」と まったく同じ です。

最後にもう一度、魔法のフレーズを使います。

a-b間の合成抵抗は 2Ω。 これが答えです。

検算もしておきましょう。並列の答えは一番小さい抵抗(3Ω)より小さいはず——2Ωは3Ω未満なので、条件を満たしています。安心して次に進めます。

ステップ9:どんな回路にも効く「王道パターン」

複雑な回路で、やることは常にこの3つだけです。

手順やることポイント
一番小さなカタマリ(直列・並列)を見つける内側・独立している部分から
公式で計算する直列=足す/並列=積和
回路を書き直すここが最重要

「書き直す」を面倒くさがらない

正直に言えば、③の書き直しは面倒です。頭の中でやりたくなります。その気持ちは痛いほど分かります。

それでも、必ず書いてください。理由は2つです。

  • 次に何をすべきかが、図を見るだけで分かる。 書き直した瞬間、「あ、ここが直列だ」と目で見つけられます。頭の中だけで進めると、この発見ができません。
  • 試験本番は、想像以上に緊張する。 普段なら間違えない足し算がずれる。そして途中の1Ωのズレが、最後の答えを丸ごと壊します。

手を動かす手間と、1問まるごと失点する痛み。どちらが重いかは明らかです。ここは面倒がらずに書きましょう。

🃏 暗記シート
Q. 電験三種で、直列と並列が入り混じった複雑な回路の合成抵抗を求める手順は?
💡 書き直しが最重要

まとめ

今日の内容を、ひとまとめにしておきます。

項目結論
直列接続電流は1本道 → そのまま足す
並列接続電流が分かれる → 積和(上が積・下が和)
並列の検算必ず一番小さい抵抗より小さくなる
複雑な回路内側から計算 → 図を書き直す → 繰り返す

合言葉は 「積和!」。この基本ルールは、電験三種のあらゆる計算の土台になります。

そして、合成抵抗が求められるようになったら、次は「まとめた後、それぞれの抵抗に電圧や電流がどう分かれるのか」が気になってくるはずです。ここは試験でも本当によく問われるところなので、合成抵抗で電圧・電流は完全に逆転する:直列『電流ひとつ』/並列『電圧ひとつ』へ進んでください。今日の内容がそのまま得点力に変わります。

⚠ ここを間違える人が多い

実際の答案でよく起きている取り違えを、3つ挙げておきます。どれも「知っていれば防げる」タイプのミスです。

❌ 積和を上下逆に書いてしまう

分子に和、分母に積を書いてしまうミスです。✅ 正しくは上が積、下が和。 防止策はシンプルで、計算後に「答えは一番小さい抵抗より小さいか?」を確認するだけ。逆に書いていれば、この検算に必ず引っかかります。

❌ 3本以上の並列に「積和」をそのまま使う

積和は 抵抗2本専用 の式です。3本を一度に放り込むと、まったく違う値が出ます。✅ 正しくは、まず2本を積和でまとめ、その結果と3本目をもう一度積和にかける。 2本ずつ、順番に処理してください。

❌ まとめる順番を勝手に決めてしまう

「たぶんこれとこれが並列だろう」と思い込んで計算を始めるパターンです。図をよく見ると、実は間に別の抵抗が挟まっていて並列になっていない——ということが起こります。✅ 正しくは、独立して計算できる一番内側のカタマリから、一つずつ。 思い込みで組み合わせを決めると、その先の計算がすべて無駄になります。

❌ 抵抗が増えたから抵抗値も増えるはず、と考える

並列でこれをやると必ず外します。✅ 正しくは、並列は道が増えるので抵抗は減る。 「増やしたのに減る」という一見おかしな結論こそが、並列の本質です。

なお、そもそも「どこからどこまでが1つの区間なのか」が読み取りにくいという方は、電位差は『山の高低差』!高い→低いで電気は流れるで電位の考え方を押さえておくと、回路図の区切りが見えるようになります。

過去問ではこう出た

合成抵抗は、理論科目で繰り返し問われている定番テーマです。実際の出題実績は次のとおりです。

年度問番号
平成28年問13
令和4年 上期問7
令和6年 下期問7

見ていただきたいのは 出題の位置 です。令和4年・令和6年はいずれも問7、平成28年は問13。理論の前半〜中盤という、まさに「落としてはいけない」ゾーンに置かれています。

出題のされ方にも傾向があります。合成抵抗そのものを答えさせる問題はもちろんですが、それ以上に多いのが 他の設問を解くための途中経過として合成抵抗を使わせる形 です。回路全体の電流を求める、分圧を計算する、消費電力を出す——その第一歩が合成抵抗、というパターンですね。

つまり、ここでつまずくと問題そのものが解けなくなります。逆に言えば、合成抵抗を確実に処理できるだけで、理論の得点は目に見えて安定します。

電験ジムで実際に解いてみる

よくある質問

Q. 抵抗が3本以上の並列のときは、どう計算すればいいですか?

2本ずつ処理してください。たとえば 2Ω・3Ω・6Ω の並列なら、まず 2Ωと3Ω を積和で [Ω]とまとめ、次に 1.2Ω と 6Ω をもう一度積和で [Ω]とします。

一度に3本まとめようとして積和に放り込むのが、最も多い失敗です。面倒でも2本ずつ、が確実です。

Q. 同じ値の抵抗が並列のときも、毎回積和で計算しますか?

同じ値なら、もっと速い方法があります。同じ抵抗 R が n 本並列なら、合成抵抗は です。

10Ωが2本なら5Ω、10Ωが3本なら約3.33Ω。積和でも同じ答えになりますが、本番の時間短縮としてこれは知っておく価値があります。もちろん、迷ったら積和で計算すれば必ず正解にたどり着けます。

Q. どこが直列で、どこが並列なのか、そもそも見分けがつきません。

見分け方は、次の一点に尽きます。

枝分かれせず一直線につながっていれば直列。両端が同じ2点でつながって道が分かれていれば並列。

判断に迷ったときは、電流になったつもりで指で回路をたどってみてください。途中で道が分かれずに一本道を進めるなら直列、分かれ道に出くわしたら並列です。

この見分けが一番難しいのは、実は複雑な回路の最初の1回だけです。一度まとめて書き直せば、次からは驚くほど見やすくなります。だからこそ「書き直す」が効くのです。

📖 ここまで読んだあなたへ

Webの何倍も覚えやすい
紙のフルラミネート加工の
暗記シート
があります

実績2,000部突破
お風呂や電車のスキマ時間でサクッと勉強できます。
付属の練習用紙で無限に練習できます♪

📋ラミネート加工 🎨フルカラー 💧防水 🛁お風呂でもOK 🚃電車でもOK ♾️練習用紙で無限練習

この記事を読み終えたら、進捗を記録しましょう

この記事をシェア

読んだ内容を、過去問で試す

理論の過去問を解いてみませんか?

過去問対策Webサービス「電験ジム」なら、 平成27年〜令和8年上期の1,400問超を、 すべて解説つきで解けます。わからない所はその場でAIに質問でき、苦手は自動で色分けされます。

電験ジムで解いてみる

14日間 無料でお試し・月額980円・いつでも解約できます

📱 この記事を読んだ方限定

LINE公式アカウントを追加して、トークに「サイト理論ノート」と送ると、 「理論科目 導入編ノート」(第1章 直流回路)を無料でお渡しします。

LINEで友だち追加する →
資格LABO

この記事を書いた人

資格LABO

電験三種を含め、さまざまな資格を一発合格した経験をもとに、 忙しい社会人が最短距離で受かるための教材とYouTube解説を作っています。 暗記シート・講義ノートは累計2,000部を突破し、 多くの合格報告をいただいています。

保有資格

電気主任技術者電気工事士公害防止管理者放射線取扱主任者中学校・高等学校 教員免許
  • ⚡ 電験三種・電験二種の解説動画をYouTubeで公開中
  • 📚「勉強の過程」より「結果を重視」した教材の制作・販売
  • 🏋️ 過去問対策Webサービス「電験ジム」を開発・運営

スポンサーリンク

📚 理論科目の他の記事も読む

次は…(ローテーション順)
機械
変圧器は「電気のバトン」で一発理解|電磁誘導と巻数比

機能追加のご要望・バグ報告をお待ちしています

サイトをより良くするため、お気付きの点・「こんな機能が欲しい」「このページが見にくい」など、お気軽にご意見をお寄せください。